試合:100人を超す応援団の声援に迎えられた長濱は、初のタイトル戦にも緊張した様子はなく笑顔でリングイン。対し初防衛戦の井上は、凄みのある顔つきでリングに上がると挑戦者を睨みつけた。先にプレスをかけたのは距離の長い長濱だったが、井上にジャブから右のオーバーハンドで押し返されると守勢にまわり、立ち上がりの堅さを感じさせた。それでも2回はプレスが効き、ボディストレート、左フックで反撃開始。その矢先にバッティングのアクシデントがあったが負傷とはならず、再開後も長濱は右アッパー、左ボディが攻め続けた。しかし、足を活かした井上も、3回にはコンパクトな左フックから時折、思い切った右スイングで威嚇。長濱の前進を止め、いよいよペースを上げはじめた。序盤より前に出られなくなった長濱は、丁寧にジャブを突き立て直しを図るが、攻撃は上手く繋がらず、4回、5回も井上の右が上回ると、途中採点は49-46×2、50-45で井上がリード。後半に入っても王者がインファイトからフットワークを使ってのボクシングで挑戦者を翻弄した。強烈なブローが長濱を捉え続け、連打を浴びいよいよ危険となった8回にレフェリーが割って入り終了。TKO勝ちで初防衛に成功した井上は、「強くタフな相手に気持ちで勝てて嬉しい」と喜び、機会があれば上のベルトも狙っていきたいと話した。