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9R 1分 3秒 KO
試合:33戦全勝(32KO)という驚異的なレコードを残しているワイルダーは、32のKOがすべて4回以内という速攻型だが、今年1月の戴冠試合で12回をフルに戦い切ったことで、スタミナの配分を覚えたのかもしれない。この日は地元での初防衛戦ということもあってか、慎重なスタートを切った。身長201センチ、リーチ211センチの体格を生かして速い左ジャブで煽るワイルダーだが、無冠時代のように勝負を急ぐことはなかった。そのためかモリナの抵抗を受ける場面もあり、3回には挑戦者のパンチを浴びて後退するシーンも見られた。迎えた4回、ワイルダーはモリナをコーナーに詰めて左フックをヒット、ダウンを奪う。続く5回、さらにワイルダーは2度のダウンを追加して勝負の行方を決定づけた。それでもモリナは戴冠の夢を諦めずに息を吹き返し、執拗に王者に食い下がった。ほぼワンサイドで迎えた9回、ワイルダーが放った右がカウンター気味に命中すると、モリナはこの試合4度目のダウン。今度は10カウント内に立てないことが誰の目にも明らかだった。ジャック・リース・レフェリーはノーカウントで即座に試合終了を合図した。
アラバマ州で初の世界ヘビー級タイトルマッチをKOで飾ったワイルダーは34戦全勝(33KO)。2度目の防衛戦は9月か10月に指名挑戦者の元WBA王者、アレクサンデル・ポベトキン(露)を相手に行われることになりそうだ。「レフェリーの判断には敬意を表する。ワイルダーは優れた選手だった」と語ったモリナは26戦23勝(17KO)3敗。
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