試合:「木村!」「隼人!」の大コールのなかで試合はスタート。やや前傾姿勢から飛び込もうと機会をうかがう山口に対し、木村はアップライトの構えから上体を前後左右に動かして的を絞らせない。ともに単発のヒットはあったもののペースを握るほどではなかった。主導権争いが繰り広げられるなか、2回には木村が浅いながらもワンツーを当てて一歩抜け出した。3回にも木村は右ストレートを好打、はっきりと優勢を印象づけた。山口も局面の打開を狙うが、木村の素早い出入りについていけない。 深いダメージを与えるほどではないものの木村は折々でパンチをヒット、着々と加点していった。5回終了時での公開採点は三者とも49対46で木村リードだった。これで自信を増したのか、木村は6回にも右を再三好打してポイントをゲット。この回、山口は木村のパンチで左目上をカット、さらに苦しい状況に追い込まれた。手負いの山口はその後も果敢に攻撃をしかけたものの空砲が多く、流れを変えることはできなかった。7回、山口は左目上に新たな傷を負い、いよいよ苦しくなった。迎えた8回、木村の右が再三ヒット。山口はドクターの診断を仰ぐことになった。ここは続行が許可された山口だが、視界が妨げられているのかラウンド終盤には木村の右を立て続けに被弾。これを見たレフェリーが試合をストップした。