試合:17歳、現役高校生の粕谷に対するは、元キック王者のサウスポー頴川。頴川はプレスをかける粕谷のジャブに右を被せて対応するが、ここまで全勝の粕谷は勢いそのままに初回からパンチをまとめて頴川を追い込む。ロープ際で窮地に立った頴川だが、返した右フックが決まり、粕谷がダウン。ここはしのいだ粕谷は、2Rも冷静にワンツー、フックで頴川を追い込み、右ストレートの有効打を奪う。追い上げられた頴川は3R、前に出て激しく打ち合うが、今度は粕谷の右ストレートが早く決まり、倒し返されてしまう。立ち上がった頴川は、ここからさらにヒートアップ。粕谷もこれに呼応し、どちらが倒れてもおかしくない、壮絶な打ち合いとなる。4Rに入っても打ち合いは続き、右をもらった頴川が2度目のダウン。これまでかと思われたが、立ち上がった頴川はこの回終盤に左フック、右ストレートを合わせ、逆に粕谷をダウン寸前にまで追い込む。最終5Rも頴川の一発狙いから粕谷が迎撃。的確なワンツーを当てたが、頴川も引かず戦いきった。この日、一番の歓声が沸いた試合は、2度のダウンを奪った粕谷に軍配が上がり、5戦全勝で東日本新人王とともに大会MVPに輝いた。粕谷「学業との両立は厳しいですが、最年少らしくアグレッシブなファイトで全日本も獲ります」。