試合:サウスポーの荒川に対し、加藤は右を繰り出して主導権掌握を狙う。荒川も右ジャブを突いて対応、ともに上々の滑り出しをみせた。2回、加藤の右が2度、3度と浅くヒット。まずは加藤が一歩リードした。やや後手に回った感のある荒川は3回終了間際に攻勢に出たが逆に被弾、苦笑いを浮かべてコーナーに引き揚げた。4回、荒川が反撃に出ると加藤は右をヒットするなど、両者は徐々にペースを上げていった。6回、荒川は左ストレートを突いて右フックに繋げる策に出たが、これに対し加藤は右を多用して巧みに迎撃した。「仁人」コールと「善孝」コールが繰り返されるなか、試合は終盤に突入。ここでも効果的かつ見栄えがよかったのは加藤の右だった。7回に荒川はバッティングで右目上をカット、苦しい状況に拍車がかかった。8回、荒川は左ストレートをクリーンヒットして加藤を追い立てたが、クリンチワークに阻まれて決定的なシーンをつくることはできなかった。荒川は9回、10回と積極的に打って出たが、加藤の抵抗にあってダウンを奪うことはできなかった。終盤に入って失速した加藤だが、中盤までの貯金を守って判定をものにした。