試合:WBA世界バンタム級王者の井上が、元IBF世界スーパーフライ級王者のアンカハスを迎えて初防衛戦に臨んだ。初回、井上がジリジリと距離を詰めてワンツーをヒット。サウスポー・アンカハスの左ストレートに左フックを合わせて集中力の高さを見せた。2回、中間距離で頭脳戦を展開。井上が打ち終わりに右ストレートを決めれば、アンカハスは左ボディストレートで応戦。3回、お互いにフェイントを織り交ぜながらの神経戦を見せる中、井上の右ショートが好打。山場を作った。4回、前に出てくるアンカハスに右アッパーでかち上げると、接近戦でも打ち負けず。ポジションを上手く入れ替えながら打ち分けた。5回、プレスをかけて左を振ってくるアンカハスに対し、井上は機動力を活かしたボクシングで対抗。7回、アンカハスは距離を詰めてボディ攻撃からショートの右フックを耳裏に決めて反撃。8回、体を密着させて消耗戦に突入。9回、なおも激しい打撃戦が続く中、井上が右ボディアッパーを突き刺し痛烈なダウンを演出。キャリア40戦で一度もKO負けのないアンカハスに10カウントを聞かせてKO勝ちした井上はリング上で感情を爆発させると歓喜の涙を流した。