試合:今や世界中が注目する「モンスター」井上尚弥がWBSS決勝戦以来、約2年1ヶ月ぶりに日本のリングに上がった。挑戦者はKO勝率91.6%を誇るタイの強打者ディパエン。会場に緊張感が張り詰める中、ミドルレンジで距離の探り合いからスタート。井上がキレのあるジャブから右ボディストレートを浅くヒットした。2回、井上はレーザーのような左を突いてプレッシャーをかけてディパエンを後退させる。3回、相手のパンチを見切った井上は巧みなディフェンスで回避すると、左を軸にダメージを与えた。4回、井上は左のダブル、さらに左ボディを痛打しダメージを与えてKO決着は時間の問題。それでもディパエンは時折、左右フックを返して意地を見せた。自由自在にコンビネーションを決める井上に対し、ディパエンは懸命に耐えてパンチを返す。それでも井上の固いガードを崩すことができない。6回、井上は足を使って大きく回るディパエンを追いかけ多彩な左を浴びせ続けた。続く回も逃げ回るディパエンを追いかけてKO寸前まで追い込む。8回、井上の左フックが顔面を捉えてついにダウンを奪う。再開後、左フックでグラつかせてレフェリーストップに持ち込んだ。王者の強さを見せた井上が王座防衛に成功した。