試合:1年7ヵ月ぶりに世界へ挑んだ塙は、開始から強烈なプレッシャーをかけ王者を追い立てた。ゴメスもバックステップを使いジャブ、ワンツーを合わせるが、初回は塙の左右フックが好印象を与えた。2回に入るとゴメスが前掛かりになり、ジャブで塙の出鼻を捉えるが、塙も距離が詰まると右をもらいながらも果敢に打ち合い、この回終盤に王者を追い込んだ。塙は3回もゴメスをコーナーに詰め、タイミングを外した右ストレートをヒット。ここでゴメスも左右を返し、打ち合いは激しさを増していった。しかし、中間距離を得意とするゴメスは序盤が過ぎると徐々にリズムを掴み、攻守の切り替え良く塙を突き放しにかかった。塙は後半に入っても体を振って前進。左ジャブ、左フックで詰めては手数をまとめたが、ゴメスのスウェーも巧みでクリーンヒットを許さなかった。すると8回は、少しバテて足が止まりかけた塙にゴメスの右ストレート、左フックが入り、攻勢をアピール。9回はゴメスも足を止め、ボディワークを活かし塙のプレスを捌いた。最終10回、塙は最後のアタックをかけ手数で上回るが、ヒットはゴメスの方が上か。このままゴングとなり、ゴメスがジャッジ2者の支持を得て初防衛に成功したが、敵地での塙の善戦も光った。