試合:初回の渡邉はスローなパンチを出しながら、強振が特徴のサウスポー、マクサイサイの出方を見ていたが、2回に入るとスピードを高め、マクサイサやプロボクシングを観慣れぬ客に戦力の差を見せつけていく。3回、マクサイサイが変則的なディフェンスで、渡邉とのアッパー合戦をやり過ごすと、その技術に観客が喜ぶシーンもあった。4回には、マクサイサイが技術的に追い詰められた場面で、渡邉のセコンドから「倒せ」とシンプルな指示も出るが、マクサイサイはノーガードのまま自分の頭を渡邉に接触させてしまったり、タイ人ならではのスウェーの駆使で、渡邉に決め手を欠かせてみせる。力んだ渡邉に5回は逆にセコンドから「狙いすぎるな」と落ち着かせる指示もあった。しかし、6回、マクサイサイがカウンターを合わせるように放った左フックが、逆に渡邉の痛烈な左フックカウンターとなって、マクサイサイが明確にダメージを露呈する。今度こそしとめようとする渡邉は7回、ボディを集中的に隠すマクサイサイの顔にワンツーをクリーンヒットさせ、そのまま心を折れさせるようにダウンを奪い、レフェリーが試合を止めた。