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[海外ニュース]2014.5.5

メイウェザー 次は9/13

マイダナを退けたメイウェザー
 WBA、WBCウェルター級統一王者となったフロイド・メイウェザー(37=米)の次の試合が早くも気になるところだが、現時点では9月13日が最有力とみられている。
マイダナを退けたメイウェザー
 メイウェザーは昨春、HBOテレビからショータイムに移籍する際に「30ヵ月に6試合、最低保証2億ドル(約206億円)」という仰天の大型契約を交わしている。その契約にしたがい、すでにロバート・ゲレロ(米)、サウル・アルバレス(メキシコ)、マルコス・マイダナ(亜)と3試合をこなしている。残り3試合は、今年9月13日、来年5月2日と9月12日が有力視されている。問題は対戦相手だ。
アミール・カーン
 次の候補としては3日のセミファイナルでルイス・コラーゾ(米)から3度のダウンを奪って判定勝ちを収めたアミール・カーン(英)が最有力だが、イスラム教徒のカーンは9月にラマダン(断食)を控えており「その前後の時期は試合をしない」と宣言している。カーンは「試合時期を11月にしてほしい」という希望を口にしているが、メイウェザー陣営とショータイムが応じるかどうかが注目される。
キース・サーマン
 このほか、同じウェルター級のIBF王者ショーン・ポーター(米)、WBA暫定王者キース・サーマン(米)もスーパースターとの対戦を望んでいる。特に4月に元2階級制覇王者ポール・マリナッジ(米)に4回TKOで快勝しているポーターは「チャンスがあるなら対戦したい」と前向きだ。しかし、IBFからは1位のケル・ブルック(英)との対戦を迫られており、その義務履行が優先されそうだ。仮に王座を返上したとしたら今度は統一戦としてのアピールがなくなり、そうなると知名度と実績の不足がメイウェザー戦実現の大きなネックになりそうだ。サーマンは「メイウェザーとの対戦は2015年」と位置づけており、すぐの対戦には気乗り薄の様子だ。まずはポーターとの対戦を希望しており、ライバル対決を勝ち抜くことがスーパーファイトへの近道になりそうだ。
マルコス・マイダナ
 3日の試合でメイウェザーに善戦したマイダナも再戦を希望している。試合直後には「勝ったのは私だ。だから私の方がメイウェザーとの再戦に応じてやる」と話している。たしかに試合で健闘したのは事実だが、ダイレクト・リマッチとなるとどうなのだろうか。有料課金システムのペイ・パー・ビューで想像以上の結果が出ればビジネス上、話は急展開をみせる可能性もあるが、順当な数字だった場合は「新鮮味に欠ける」という理由で支持を得るのは難しいのではないだろうか。
サウル・アルバレス
 昨年9月にメイウェザーに敗れたサウル・アルバレス(メキシコ)の候補のひとりだ。ただし、アルバレスは7月12日にスーパーウェルター級のWBA王者エリスランディ・ララ(キューバ/米)との対戦を控えており、9月となると時期的に難しい状況だ。昨年のメイウェザー戦に際して再戦契約があるとも伝えられており、リマッチがあるとしたら来年9月という線が有力だ。
 これまでに挙げた上記5選手はいずれもゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)系列の選手で、そのためタイミングとビジネス面の条件さえ合えば対戦に大きな障害はないといえる。そんななか、GBPとライバル関係にあるトップランク(TR)社傘下のマニー・パッキャオ(比)とメイウェザーとの対戦は、いまだに夢のカードといえる。5年ほど前に交渉が進んだことがあったが、ドーピング検査を巡って暗礁に乗り上げた経緯がある。その後も何度か具体的な話が出ては消え、そうこうしているうちにパッキャオがティモシー・ブラッドリー(米)、ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)に敗れてしまった。GBP&ショータイム&メイウェザー、TR社&HBO&パッキャオという構図から考えると、いまだにメイウェザー対パッキャオ戦の実現が難しいことに変わりはない。しかし、4月にGBPのオスカー・デラ・ホーヤ代表とTR社の総帥ボブ・アラム氏が話し合いの場を持ったことで、わずかばかりの前進はみられたといっていいだろう。その席ではパッキャオ対アルバレスのプランが浮上したというが、体格差が大きいことから実現性は極めて低いとみられている。それよりも多くのファンの興味は、やはりメイウェザー対パッキャオにあるといっていいだろう。いまだに多くの障壁があるのは事実だが、12年前にレノックス・ルイス(英)対マイク・タイソン(米)の世界ヘビー級タイトルマッチが実現した際、HBOとショータイムが手を組んだ例もある。ウルトラCの可能性も5パーセント程度はありそうだ。
 風雲急を告げるウェルター級トップ戦線。リング外の動きからも目が離せなくなってきた。