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[訃報]2012.10.26

エマヌエル・スチュワード氏

スチュワート氏(左)
 70年代からデトロイトの「クロンク・チーム」を率い、5階級制覇王者トーマス・ハーンズ(米)ら数々の名選手を育てたエマヌエル・スチュワード氏(米)が25日、病気のため逝去した。68歳だった。
 スチュワード氏はトップアマとして活躍後、20代半ばでクロンク・レクレーションセンターのボクシング指導者を務め、やがてプロ部門も新設。80年代にはハーンズのほかヒルマー・ケンティ(米)、ジミー・ポール(米)、ミルトン・マクローリー(米)、トニー・タッカー(米)らを世界一の座に導いた。
 その後は指導を請う選手を幅広く受け入れ、フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)やオスカー・デラ・ホーヤ(米)らのトレーナーも務めた。レノックス・ルイス(英)やイベンダー・ホリフィールド(米)、ヘンリー・アキンワンデ(ナイジェリア/英)、オリバー・マコール(米)らタイプも国籍も異なるヘビー級王者たちからも指導を請われて力を貸した。近年はビタリ&ウラジミールのクリチコ兄弟も指導を仰いでいた。ミゲール・コット(プエルトリコ)の完全復活も同氏の指導力の賜物という関係者は多い。また、HBOテレビの解説者としても知られた。
 9月に胃の手術をし、その後は入院生活が続いていた。ハーンズは「父親を亡くしたみたいに悲しい」と哀悼の意を表している。