[海外ニュース]2018.5.11
元王者シュメノフ 王座決定戦で戦線復帰
ベイブト・シュメノフ

 ライトヘビー級とクルーザー級の元WBA(世界ボクシング協会)王者ベイブト・シュメノフ(34=カザフスタン/米)が7月7日、カザフスタンの首都アスタナでヒズニ・アルツカヤ(30=独/トルコ)とWBAクルーザー級王座決定戦を行うことになった。WBA2位にランクされているシュメノフに対し、アルツカヤは4月30日発表のWBAランキングで突然3位に入ってきた。

 シュメノフは昨年6月、眼疾のため同王座を返上して引退したが、治癒したことで戦線復帰を決めたようだ。19戦17勝(11KO)2敗。一方のアルツカヤは31戦30勝(17KO)1敗という立派な戦績を残しているが、強豪との対戦は皆無で、唯一といえる世界的な選手との対戦(元WBO王者クシシュトフ・グロワキ)では3度のダウンを喫して5回終了TKOの完敗という結果に終わっている。今年1月、6連敗中の選手に6回判定勝ちを収めて再起を果たしている。この勝利が評価されたとは思えないが、最新のランキングではグロワキのふたつ上の3位に飛び込んできた。
 WBAのクルーザー級はスーパー王座にムラト・ガシエフ(露)が君臨し、暫定王者にアルセン・グラミリアン(アルメニア/仏)、休養王者としてデニス・レベデフ(露)がいる。唯一空いていたレギュラー王座にシュメノフ対アルツカヤの勝者が収まることで、WBAだけで同一階級に4王者を擁することになるわけだ。「1階級にひとりの王者」という当たり前の理想を掲げるWBAだが、実行するのは難しそうだ。