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[試合結果]2018.3.18

イマムvsラミレス NYのダブル世界戦

イマムvsラミレス

 WBC(世界ボクシング評議会)スーパーライト級王座決定戦、1位アミール・イマム(27=米)対3位ホセ・カルロス・ラミレス(25=米)の12回戦と、WBCライトヘビー級暫定王座決定戦、2位オレクサンデル・グウォジク(30=ウクライナ/米)対10位メーディ・アマル(35=仏)の12回戦は17日(日本時間18日)、米国ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン(MSG)のサブ・アリーナ、ザ・シアターで行われた。

WBCスーパーライト級王座決定戦
〇ホセ・カルロス・ラミレス(米)
 12回判定(3対0)
×アミール・イマム(米)

WBCライトヘビー級暫定王座決定戦
〇オレクサンデル・グウォジク(ウクライナ/米)
 12回判定(3対0)
×メーディ・アマル(仏)

 イマム対ラミレスは2000回目のWBC世界戦として、長年の犬猿の仲として知られるドン・キング・プロモーターとボブ・アラム・プロモーターが提携して開催された。ラミレスがプレッシャーをかけ、スピードで勝るイマムが左ジャブを突いて応戦するパターンで始まり、前半はほぼイーブンのまま終わった。中盤に入ってペースを上げたのが4対1のオッズで支持を集めていた4連続KO勝ち中のラミレスだ。6回に右を再三ヒットして抜け出し、続く7回には右から左フックにも繋げてリードを広げた。このままラミレスに流れが完全に傾くかと思われたが、8回にはイマムも盛り返して意地をみせた。しかし、9回からは再びラミレスがペースを握り、10回には右で相手にダメージを与えて貴重なポイントを奪った。このころになるとイマムの目の周辺の腫れが目立つようになったこともあり、誰の目にも優劣が明らかになった。採点は115対113、117対111、もうひとりは120対108だった。12年ロンドン五輪ライト級16強ラミレスは22戦全勝(16KO)。新王者には、1週間前に暫定王座を獲得しているレギス・プログレイス(米)との団体内統一戦が課されている。敗れたイマムは23戦21勝(18KO)2敗。

 WBCライトヘビー級暫定王座決定戦は、33対1というオッズが出ていたように、戦前から圧倒的有利が伝えられたグウォジクが期待どおり勝利を収めた。12年ロンドン五輪ライトヘビー級銅メダリストのグウォジクは左ジャブから右ストレートに繋げる安定感のあるボクシングで前半から主導権を握った。4回には相手をロープに詰めるなどチャンスもつかんだが、ミスを恐れてか強引に詰めにはいかなかった。グウォジクはその後も手数と有効打で上回ってポイントを重ねていった。最終回にはグウォジクが仕留めにかかったが、ここはアマルが粘って試合終了ゴングを聞くことになった。採点は117対111、116対112、118対110と大差がついた。新暫定王者のグウォジクは15戦全勝(12KO)。5月19日に予定されている正王者アドニス・スティーブンソン(ハイチ/カナダ)対バドゥ・ジャック(スウェーデン/米)の勝者との団体内統一戦が課されている。アマルは42戦34勝(16KO)6敗2分。

 前座では大きな番狂わせが起こった。12年ロンドン五輪ライト級8強で「将来の世界王者候補」として大きな期待と注目を集めていたフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)が、元世界ランカーのアントニオ・ロサダ(メキシコ)に10回2分37秒TKO負けを喫したのだ。後手にまわりながらも9回まで微妙なラウンドをかき集めて87対84、86対85というスコアでジャッジ二者から支持を得ていたベルデホだが、最終回半ばにロサダの左を浴びてダウン。立ち上がって再開に応じたものの、コミッション役員が危険と判断してエプロンに上がりレフェリーにストップを要請して試合は終わった。ちなみに、もうひとりのジャッジは9回まで86対85でロサダ優勢だった。殊勲のロサダは41戦39勝(33KO)2敗、ベルデホは24戦23勝(15KO)1敗。両者は昨年9月に戦う予定だったが、ベルデホが拳を痛めたため延期されていた。ここ2年ほどベルデホは交通事故や負傷などトラブルが目立っており、かつての生きのいいボクシングが影を潜めているようだ。

 このほかの前座試合では、元IBF(国際ボクシング連盟)スーパーフェザー級王者ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)がホセ・ルイス・ロドリゲス(メキシコ)に8回判定勝ち(80対72×3人)を収めた。昨年1月にジャーボンタ・デイビス(米)に敗れて無冠になったペドラサは再起を飾り、戦績を24戦23勝(12KO)1敗に伸ばした。ロドリゲスは35戦23勝(13KO)12敗。
 WBO(世界ボクシング機構)スーパーフェザー級3位にランクされるクリストファー・ディアス(プエルトリコ)は、ブラウリオ・ロドリゲス(ドミニカ共和国)に4回TKO勝ちを収め、デビューからの連勝を23(15KO)に伸ばすとともにNABO北米王座の初防衛に成功した。右肩か拳を痛めて棄権したロドリゲスは22戦19勝(17KO)3敗。
 この日はアイルランドの祝日「セント・パトリックデイ」ということもあってか、世界戦2試合のあとのメイン扱いで12年ロンドン五輪フライ級銅メダリストで16年リオ五輪にも出場したマイケル・コンラン(英/アイルランド)が登場。ダビド・ベルナ(ハンガリー)とフェザー級8回戦で拳を交え、2回TKO勝ちを収めた。初回にボディブローでダウンを奪ったコンランは2回にもダウンを奪い、再開後に連打を浴びせてレフェリー・ストップに持ち込んだ。コンランは6戦全勝(5KO)、ベルナは18戦15勝(14KO)3敗。