[海外ニュース]2017.9.29
またオルティスが陽性反応
ルイス・オルティス
11月4日に米国ニューヨークのバークレイズ・センターで行われる予定のWBC(世界ボクシング評議会)ヘビー級タイトルマッチに暗雲――王者デオンタイ・ワイルダー(31=米)に挑戦する元WBA(世界ボクシング協会)暫定王者ルイス・オルティス(38=キューバ/米)が、VADA(任意のアンチ・ドーピング協会)の抜き打ちテストで禁止薬物の陽性反応を示したのだ。
お騒がせ男 ルイス・オルティス
ホセ・スライマンWBC会長をニュースソースとして複数のメディアが報じているもので、オルティス陣営は降圧剤に含まれるクロロチアジドとヒドロクロロチアジドの成分が陽性反応を示したと明かしている。これらは利尿効果があるとされ、今年から禁止薬物のリストに加えられた。オルティス自身は14年9月に米国ネバダ州ラスベガスでラティフ・カヨーデ(ナイジェリア)に1回TKO勝ちを収めてWBA暫定王座を獲得したが、のちにドーピング違反が発覚。結果は無効試合に変更され、暫定王座獲得も取り消され、ネバダ州コミッションから9ヵ月の出場停止処分を受けたことがある。今回のケースについてWBCがどんな判断を下すかは未定だが、昨年から「クリーン・ボクシング・プログラム」として反ドーピングのキャンペーンを行っているだけに厳罰も考えられる。
一方のワイルダーは昨年6月、アレクサンデル・ポベトキン(露)との防衛戦が相手のドーピング違反で直前になって中止になったほか、今年2月のV5戦の際も1ヵ月前になって挑戦者の違反が発覚。そのため相手を変更して防衛戦を行った苦い経験を持っている。こうしたことからワイルダーは、ことあるごとに「ドーピング違反をした選手とは戦わない」と言ってきた。オルティスについても同様の考えを示していたが、今回はマッチメークが優先されていた。