[訃報]2017.9.21
「レイジング・ブル」ラモッタ氏

 1940年代から50年代前半にかけて活躍した元世界ミドル級王者ジェイク・ラモッタ氏(米)が19日、米国フロリダ州マイアミで嚥下障害のため亡くなった。95歳だった。ラモッタ氏は史上最強のボクサーといわれるシュガー・レイ・ロビンソン(米)のライバルとして知られる一方、半生を描いた映画「レイジング・ブル」の主人公としても有名だ。90年には名誉の国際殿堂入りも果たしている。

 ラモッタ氏はニューヨークのブロンクスで生まれ育ち、勇猛果敢な戦闘スタイルから「ブロンクス・ブル」と呼ばれた。同じ時代にロビンソンというスーパースターがいたため脇役に甘んじたが、そのライバルとは6度戦って1勝5敗だった。大きく負け越してはいるが、43年の第2戦ではプロ40連勝中だったロビンソンに初黒星を与えている。裏社会との繋がりもあったといわれ、意図的に敗北を受け入れた試合があったと告白して世間を騒がせたこともあった。しかし実力は本物で、49年から51年までミドル級で世界一の座に君臨した。通算戦績は106戦83勝(30KO)19敗4分。