[メキシコ情報]2016.5.17
王者を挑発するサリド
オルランド・サリド
WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチは6月4日、米国カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センターで行われるが、王者のフランシスコ・バルガス(31=メキシコ)が4月末にドーピング違反が発覚したことを受け、挑戦者のオルランド・サリド(35=メキシコ)が挑発している。
オルランド・サリド
バルガスはVADA(反ドーピング協会)が課した検査の際、クレンブテロールの成分が検出されたと報告されている。陣営は「メキシコで食べた肉が汚染されていたためではないか」と説明。6月4日の試合に影響がないように早めに米国入りして検査に応じている。すでに4回の検査が行われたが、結果の出ている2回分に関しては問題がなかったという。
フランシスコ・バルガス
こうしたなか挑戦者のサリドは心理的な揺さぶりをかけるためか、マネージャーと一緒に肉を食べている食事風景を公表。「メキシコには最高の肉があるぜ」と王者を挑発している。そのサリドも10年前、ロバート・ゲレロ(米)の持つIBF世界フェザー級王座に挑戦した試合後、筋肉増強の効果があるステロイドを使用したことが発覚、「判定勝ちで王座獲得」が一転して「無効試合」に結果が変更されるという苦い経験をしている。今回、サリドもVADAの検査に応じたが「新生児と同じぐらい綺麗だった」(ショーン・ギボンズ・マネージャー)という。なお、バルガス対サリドの試合を管理するカリフォルニア州アスレチック・コミッションは、主催のゴールデンボーイ・プロモーションズと連携しながらバルガスの検査結果に目を光らせるとしており、今後、陽性の結果が出た場合は試合の許可を取り消すと通達している。