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[ボクシングの日]2014.5.20

現役王者が集結

現役王者が集結
 ボクシングファン感謝イベント「ボクシングの日」が19日、後楽園ホールで開催された。今年は例年の世界チャンピオン会に代わり、世界、OPBF東洋太平洋、日本の現役チャンピオン29名が集結。また、再審を勝ち取った袴田巌氏が釈放後初めて公の場に登場し、拍手と歓声に包まれた。用意された数々の企画で選手達は、ボクシングファンとの交流を楽しんだ。
袴田さんには名誉ベルトが贈呈
 セレスボクシングジムの小林昭司会長が開会の挨拶を務めると、現役王者29名がリングに次々とリングに登場。袴田氏には名誉チャンピオンベルトとブロンズ像が贈呈された。日本プロボクシング協会会長・大橋秀行氏は「これからまだ裁判が続くが、全力で支援をしていく」と宣言。続いて挨拶を終えた袴田氏はピースサインを高らかに掲げた。
三浦のスーツスパー
 第2部では、チャンピオン達とのハイタッチ会、世界王者の三浦隆司(帝拳)と河野公平(ワタナベ)がミット打ちを披露。スーツ姿でミット打ちを行い観客を沸かせた三浦は「海外で名前のある選手ともやってみたい。内山選手ともラスベガスで戦ってみたいです」とリップサービスをしてみせた。
 続いて行われたスペシャルスパーリングでは、日本王者の細野悟(大橋)vs大竹秀典(金子)、東洋太平洋王者の岩佐亮佑(セレス)vs和氣慎吾(古口)、そして同門の世界王者、八重樫東(大橋)vs井上尚弥(大橋)が2ラウンドのスパーリングを披露した。
八重樫vs井上の同門スパー
 長渕剛の入場曲で同時にリングインした岩佐と和氣は、白熱したスパーリングで観客を魅了。普段から交友のある両者は、「世界戦のリングで戦いたい。勝つのは自分だ」とそれぞれが語り会場を沸かせた。
   ラストの八重樫vs井上尚弥のスパーリングでは、回転の速い熱い攻防に会場は静まり返ったが、ラスト30秒の激しい打撃戦に大歓声があがった。デビュー最速で世界王者となった井上尚弥は、「チャンピオンとして防衛するのが仕事。しっかりと防衛し、ファンの望む試合をしていきたい」と語ると、八重樫は次戦に期待されるローマン・ゴンサレス(ニカラグア)戦について「やっぱり辞めた方がいいですかね?」とおどけてみせたものの「勝つか負けるか分からない相手に勝ってこそ真のチャンピオン。望むところです」と意気込みを語った。
内山の振りにタジタジな井上
 月間賞の表彰式で始まった第3部では、元WBA世界スーパーフライ級王者・飯田覚士氏が司会を務める2つのトークショーが行われた。前半は、時代を担う「NEW STARS」として藤本京太郎(角海老宝石)、小原佳太(三迫)、高野人母美(協栄)が登壇。現役モデルの高野は今ボクシングへの思いを、小原はパッキャオとのスパーリング体験談を、京太郎は足を使えるヘビー級「ウォーキングゴリラ」になりたいと笑いで締めくくった。後半では、内山高志(ワタナベ)、山中慎介(帝拳)、井上尚弥(大橋)、藤岡菜穂子(竹原&畑山)の世界チャンピオンが登壇。階級を上げてのタイトル戦について語る藤岡菜穂子(39)は、年齢に話が及ぶと「44歳の新世界王者・池山 直(フュチュール)が誕生してホッとしました」と正直な心境を明かした。プロ6戦目で世界王者となった井上は、世界タイトル戦について語り「この階級での最強を証明していきたい」と意気込んだ。5戦連続KO勝利で6度目の防衛を成功させた山中は、同門の世界王者・三浦隆司との関係について「自分の方が早く獲ったので偉そうにしています。リングを独占したいので練習時間をずらしている」と明かした。フィジカルトレーニングや三浦隆司との統一戦について話した内山だが、入場客からの異性関係の質問の多さにタジタジになる一面を見せていた。
ハイタッチする山中
 イベントがフィナーレに近づくと恒例のチャリティーオークションが行われた。今回、進行を務めたのは「ボクシング芸人だいご」こと保岡大剛氏。参加選手達から数々のグッズが出品され、内山高志のグローブが最高額の4万円で落札された。今回のイベントで行われた募金やチャリティーオークションで集まった281,225円は、東日本大震災災害募金に送られる。