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[試合後会見]2014.4.15

小原、2冠制覇なるか!?

ソルミアノの猛攻
 前王者の金民旭(韓国)が返上し、半年近く空位となっていたOPBF東洋太平洋スーパーライト級王座を14日、1位で前日本同級王者の小原佳太(27=三迫)と同級2位のジェイ・ソルミアノ(比)が争った。この日は日本スーパーフライ級王座決定戦とのダブルタイトル戦とあって、後楽園ホールは2000人のファンで埋め尽くされた。
 ソルミアノは、かつて荒川仁人(八王子中屋)が保持していたOPBFライト級王座に挑み、1-2の僅差判定で惜敗した経験がある。20戦17勝(13KO)2敗1分と高いKO率を誇る左構えのファイターで、今回も開始とともに速攻を仕掛け、右フック、さらに叩きつけるような左で小原に襲いかかった。
幻のダウンパンチ
 このクラスで抜群のテクニックを誇る小原は、上体でこの強打をかわすと、間髪入れずに右ストレートを打ち込み、序盤から激しい主導権争いが繰り広げられた。ソルミアノも左右のビッグパンチで小原を脅かし、3回には左を浴びせて倒すもこれはスリップと判断された。徐々に流れが相手に傾くなか、続く4Rに小原の左がカウンターで炸裂しソルミアノがダウン。カウント中に立ち上がるも、小原がラッシュでコーナーに追い込むと最後は右でキャンバスに沈んだ。今度はソルミアノも立ち上がれずにカウントアウト。小原が満員の観衆の中、圧巻のKO勝ちで空位のOPBF王座に就いた。
裁定に不満
 敗れたソルミアノは試合後、「小原は強く、勇敢な選手だった」と称えたが、3Rのスリップについては「あれは間違いなくダウン」と抗議。悔しがりながらも、チャンスがあるならと再戦を希望した。
リング上からラブコール
 一方、返上した日本王座に続き、OPBF王座獲得と2冠を達成した小原はリング上のインタビューで、1階級上のOPBF王者、亀海喜寛(31=帝拳)との対戦を希望。控え室に戻っても「亀海選手は日本を見ていないし、実現できるとは思っていない。でも無茶苦茶強い選手と戦えることがモチベーションの維持、レベルアップにつながる。ウェルター級でも問題はない」と思いを明かした。
笑顔がこぼれる
 この件に三迫貴志会長は「日本から東洋にステップアップできたからには、できるだけ夢は叶えてやりたい。いきなりの話だったが、本人の気持ちが聞けて良かった」と受け止めた。それでも目の前の試合を見据え「まずはこの階級で東洋一を証明できるような試合を組みたい」と次戦のプランを語った。
全員集合
 試合を振り返り小原は、3Rのスリップについて「あれはダウン(笑)。効いてしまったが冷静でいられた。結果的に倒し返せたので良い経験になった」と安堵の笑顔を見せた。デビュー戦こそ厳しいマッチメイクで星を落とした小原だが、以降は連勝街道を歩み続け、これで12戦11勝(10KO)1敗をマーク。圧倒的KO率を誇る2冠王者の動向に今後も注目したい。