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[ニュース]2009.12.29

世紀の一戦、法廷闘争へ

 2010年3月13日に対決が内定していたWBO世界ウェルター級チャンピオンのマニー・パッキャオ(比=31歳、55戦50勝38KO3敗2分)対WBC世界スーパーウェルター級スーパーチャンピオン、フロイド・メイウェザー(米=32歳、40戦全勝25KO)の“5階級制覇対決”が最終交渉段階で暗礁に乗り上げてしまい、実現が危ぶまれている。
 このカードは全米各地から開催オファーが相次ぎ試合地が注目されていたが、12月中旬にはラスベガスのMGMグランドガーデンに落着。両者の報酬も最低保障額が2500万ドル(約22億5000万円)に設定され、ペイ・パー・ビュー(PPV=有料放送)の売上歩合を加えた最終受け取り総額は、双方とも4000万ドル(約36億円)を越えるものと見込まれていた。賭け率も13対10(メイウェザー有利)と出ていた。  ところが、最終交渉段階になってメイウェザー陣営がオリンピック並の事前チェックまで要求した事から話がこじれ始めた。「その必要性を感じない上、早い段階での検査はトレーニングの妨げになる」とパッキャオがこれを断ると、メイウェザー陣営は「禁止薬物(ステロイド=筋肉増強剤)を使用しているのではないか?」と攻撃。クリスマスを前にとうとうパッキャオ側のボブ・アラムプロモーターがメディアに「試合は中止」と話すまでになってしまった。  さらにパッキャオは「単なる試合前の駆け引きでは無く、私に対する彼らの中傷は度を越えている」としてメイウェザーや、その交渉窓口になっているゴールデンボーイ・プロモーションを訴える構えを見せている。  大一番を前にしてのトラブルは過去にも多くの例があり、今回も互いが落とし所を見つけて最悪の事態(試合中止)は免れるのではないかと見る向きもある。  これだけのビッグカードだけに、リングでは無く法廷で決着を付けるという愚だけは避けてほしいものだ。