[試合後会見]2014.3.17
ボクサーとしての区切り
勝つのはどっちだ
17日、後楽園ホールでは「角海老ボクシング」が開催されメインイベントでは日本ウェルター級タイトルマッチが行われた。
3度目の防衛戦となる王者・高山樹延(28=角海老宝石)とウェルター級で2冠を狙うベテラン、同級1位・鈴木哲也(31=六島)が激突した。
ボディでロープに押し込む
序盤、ジャブで距離を取る挑戦者・鈴木に対し、ボディからのフックで距離をつめる王者・高山。鈴木は出入りを速めて対応するが、高山はボディへの強打を浴びせ挑戦者を追い込む。5R終了時の途中採点は48-47,49-46,49-46の3-0で王者・高山がリード。続く6ラウンド、高山が連打で仕留めにかかるが、鈴木はこれに持ち堪え、逆に息が上がった王者に左右を合わせ反撃。ワンツーで盛り返した鈴木。だが、高山の攻めの姿勢も衰えず、終盤は力を出しきる打ち合いが続いた。決着は判定に委ねられ96-94,96-94,96-94の3-0で王者・高山が鈴木の追い上げを食い止め3度目の防衛に成功した。
これが区切りと
控室に戻った鈴木は、「最後は開き直っていったが、チャンピオンは強かった。バテたとは思うが、パンチの力は衰えなかった」と試合を振り返った。「自分の見栄えが悪かった。途中採点を聞き、もっと行かなきゃと思ったんですが」と話す鈴木は「全てを賭けて挑んだ試合、結果を受け入れます」と涙を浮かべ声を震わせた。最後に鈴木は「区切りにしたいと思う。期待に答えられないという悔いは残ったが、ボクシング人生を振り返ると、良く頑張ったかなと思います」と語り会見は終了した。
防衛も反省
3度目の防衛に成功した王者・高山は「もっとバランス良く打てたら良かったが、打ち急いでバランス崩し、次に繋げられなかった」と試合内容を反省すると「ボディで崩す作戦だったが、自分がバランスを崩してしまった」とまとめた。「サウスポーは苦手ですね」と笑顔を見せた高山だが「相手がサウスポーだと見てしまう自分のクセがあるので、下がらずに中に入っていった。出し惜しみをしないと決めていた。勝ったから良かったが、あんな試合をしているようではまだまだです」と拳を見つめた。
喜びの角海老陣営
今後についての質問に高山は、「ボクシングのレベルを上げるために階級を下げるべきと思っています」と明かした。続けて「まわりは落ちないと言うんですが」と答えるや否や、角海老陣営から「落ないだろ」とツッコミが入り会見場を沸かせた。しかし高山は、「このまま防衛を続けてもモチベーションが続くか分からない。普段から摂生すれば必ず落とせるはずだし、そこまで追い込まないと、自分のボクシングのレベルは上がらない」と熱く語った。
向上心を持って