[試合後会見]2013.11.15
3度目の正直となるか!?
IBFタイトル戦
14日の後楽園ホールではダブル女子世界戦が開催された。セミファイナルで行われたIBF世界女子ライトフライ級決定戦には、3度目の世界戦挑戦となるIBF同級8位の柴田直子(ワールドS)が、同級11位のアロンドラ・ガルシアと激突。
柴田の右にぐらつくガルシア
序盤のペースを握りかけたガルシアだったが、柴田もカウンターを当て対応。踏み込みが速いガルシアは、柴田が間合いを外して左右をテンポよくヒットさせると、接近戦で分のあったガルシアにボディも入るようになる。中盤、勢いが衰え出したガルシアに、柴田はヒット&ウェイで試合の流れを引き寄せる。7Rには右がきれいに入り、一気に決めにかかったが、ガルシアもタフさを発揮し手数で応戦。終盤も手を出し続けるガルシアに、柴田の集中力は途切れることなく、ワンツー、ボディの連打で攻め続けた。ジャッジは三者ともに柴田を指示し、新チャンピオン・柴田直子が誕生した。
歓喜の瞬間
リング上の挨拶で、「3度目の正直で獲ることができました。応援ありがとうございました。皆さんのおかげで勝つ事ができました」感極まった柴田は涙で声をつまらせた。
新女王誕生
控え室に戻った柴田は、「効いたパンチは無かったが、毎ラウンド最初の1分は見ていこうと思った」と作戦を明かした。1ラウンドの目尻のカットについて「血が目に入り焦りはあったが、セコンドに止めてもらえたので試合に集中できました」と話した。試合について柴田は、「ガルシアは典型的なメキシコスタイルでした。自分が下がらずに前に出れたのが良かったです。ボディを嫌がっているのが分かったので、もっと打っていきたかったです」と振り返った。今回の世界戦に向け練習を共にした、WBA世界女子Sフライ級新王者・藤岡奈穂子については、「昨日の試合結果だけでも力になりました。恩返しがしたいと思いながら戦ったが、今日の内容だとまだまだと言われるかも」と明かした。最後に柴田は、「ここからがチャンピオンとしての戦い。メンタルだけでなく、技術も高めていきたいです」と課題をあげた。
ガルシアは判定に不満
涙を浮かべ控え室に戻ったガルシアは、「いい仕事をしたが判定には納得していない。勝ったのは確実だから悔いはない」と気丈に答えた。柴田について質問が飛ぶと「32歳のボクサーに18歳のボクシングを教えるつもりで来た。正直、もっと強い選手かと思ったが、何も無かった」と不満顔で答えたが、「日本の観客は応援してくれたので感謝してます」と笑顔で答えた。最後にガルシアは、「できるだけ早く再戦したいし、判定をちゃんとチェックするよう、IBFに訴える」と話し、会見は終了した。