[試合後会見]2013.10.23
黒田 8ヵ月ぶりの再起戦
黒田がホールで再起戦に
今年2月、ファン・カルロス・レベコ(亜)の持つWBA世界フライ級王座に挑んで判定負けを喫した黒田雅之(27=川崎新田)の再起戦が22日、東京・後楽園ホールで行われた。日本フライ級5位の中釜兵武(30=白井・具志堅)を相手にしての10回戦。黒田はIBF14位の実力を発揮することはできたのか。
勢いよく飛び出した黒田だが
ゴングが鳴るのを待ちかねていたかのように黒田は試合開始と同時に強打を振って攻めて出た。ワンツーを上下に打ち分け、早々と主導権を掌握。中釜も応戦したものの出遅れた印象は拭えなかった。それでも「打ち合いなら自信がある」という中釜が2回から態勢を立て直すと、以後は意地の張り合いのような打撃戦になった。中釜が流れを引き寄せたかに見えた4回、バッティングで黒田が右目上に裂傷を負った。夥しい出血があったが、ドクターの診断は「続行OK」。しかし5回、2度目のチェックで続行不能が告げられ、それを受けたレフェリーが試合をストップした。
負傷により5Rでストップ
5回に入っていたため試合は成立し、当該ラウンドを含めた採点で勝敗が決することになった。採点はひとりが48対47で黒田を支持したが、残りの二者は48対48のイーブン。そのためドローという結果に終わった。
不完全燃焼に不満の中釜
無傷でひと足早く控え室に戻った中釜は「(黒田は)パンチがあると聞いていたけれど、思ったほどではなかったですね」と、まずは相手の感想を口にした。そして「1ラウンド、いきなり攻めてきたのは予想外でしたが、こちらも打ち合うつもりでした。自分が効いたパンチはないけれど、逆に左フックでダメージを与えたんじゃないですかね」と加えた。負傷引き分けという結果には「1回と2回は取られたけれど、3回と4回は取ったかな。もう1度やりたいですね」と少々悔しそうだった。31戦16勝(11KO)11敗4分。
また出直しですと黒田
一方、医務室で右目上に応急処置をしてロッカールームに戻った黒田は、反省の弁が口をついて出た。「コンディションも調子もよかったので、それが悪い方に出たのかも。相手のリズムを出させてしまうことになってしまいました。オーバーペースでもガンガン攻めていって潰そうかと思ったけれど、そう簡単にはいきませんでした」と、表情を硬くした。世界戦前から一本調子になる課題が指摘されていたが「メリハリが足りませんでした。相手云々よりも自分を直したい」と、半ば自嘲気味に話した。勝利というかたちで再起戦を飾ることはできなかったため、治癒後に再度の出直しを図ることになりそうだ。28戦21勝(13KO)4敗3分。