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[試合後会見]2013.10.6

加藤VSラバオ 世界先陣争い

左:ラバオ 右:加藤
 東洋太平洋ライト級王者、加藤善孝(28=角海老宝石)は5日、後楽園ホールに同級1位のレイ・ラバオ(28=比)を迎えて初防衛戦に臨んだ。日本王座も持ちWBCで11位にランクされる加藤と、WBOで4位に名を連ねるラバオ。世界先陣争いを制したのは――。
OPBF王座初防衛に成功
 加藤は試合開始早々からサウスポーの挑戦者の連打を受けて苦境に立たされた。ロープからコーナーに追い込まれ、腰を折って耐えるシーンが目立ったが、なんとか3分間をしのいだ。2回からは折々で左右のカウンターを入れながら態勢を整え、戦況を五分に戻す。以後は強引で雑な攻撃を繰り返すラバオと、効率的なカウンター・アタックで迎撃する加藤の間で見応えのある攻防が繰り広げられた。
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 4回終了時点の公開採点は38対38が二者、39対37で加藤とほぼ互角だったが、8回終了時点では77対52が二者、もうひとりも78対74でいずれも加藤を支持。好打を効率的にヒットする王者が徐々に引き離していく展開となった。それでもラバオのパンチは最後まで衰えなかった。「最終回は少しボディが効きました」と加藤も認めるほどだった。守るところは守り、攻めるべきところでは効率的に攻めた加藤が巧者ぶりをみせた試合だった。採点は115対113、116対112、117対111で三者とも王者の勝利を支持していた。
両拳を痛めていたラバオ
 敗れたラバオは「試合序盤にパンチが加藤の頭と歯に当たり、両方の拳を痛めた」といい、バンデージを外す際にも痛みを堪えるほどだった。試合に関しては「拳を痛めたこともあり、どうしてもボディ狙いになってしまい攻めきれなかった。8回終了の採点を聞いて倒しにいったが、拳が痛くてダメだった」と悔しそうだった。29戦24勝(16KO)5敗。
フィゲロアに挑戦したい!
 一方の加藤は額に赤い擦過傷をつくりながらもホッとした様子だった。「すごいパンチでした。最後まで威力が衰えないので、警戒して出られませんでした」と、まずはラバオのパンチ力を称えた。WBO4位を下したことで自身のランクが上昇する可能性が高いが、「(世界への)足がかりになればいいんですが…でも、世界となると今日の相手ぐらいは倒さないとダメでしょうね」と表情を引き締めた。傍らの鈴木真吾会長が「もう日本タイトルは返上しようか。あと1試合やって世界に行こう」と声をかけると「できればオマール・フィゲロア(米=WBC暫定王者)に挑戦したい。世界挑戦の声がかかれば海外にも行きますよ」と、具体的な王者名を出して意気込みを語った。31戦26勝(7KO)4敗1分。