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[公開計量]2013.9.2

波乱含みの大毅戦

笑顔の大毅
 香川県で初めて行われる世界戦。高松市内のグリーンけやき広場で2日、IBF世界スーパーフライ級王座決定戦の公開前日計量が行われた。同級3位の亀田大毅(亀田)と同級4位のロドリゴ・ゲレーロ(メキシコ)が、曇り空の会場に姿を現したのは、計量開始直前の正午前。この日の高松市は、多少の湿気はあるものの気温は24度と過ごしやすく、両者ともに笑顔で会場入りしたのだが・・・
最後は経験がものをいった
 高松市内のグリーンけやき広場で行われた公開計量で、大毅が最初に計量台に乗ると52.1kgのスーパーフライ級リミット体重で難なく一発クリアした。
前日まで普通に食べていたゲレーロ
 続いてゲレーロが計量台に乗ると、リミット体重を350gオーバー。パンツも脱いで計りなおしたが、それでも200gオーバーしたため、規定通りに、2時間の猶予が与えられ再計量を行うことになった。この時、時計は12時04分を指していた。従って、14時04分までに何度でも体重を計りなおすことができるのだが、12時50分ごろに戻ってきたゲレーロが再計量に挑むと、全裸で700gオーバー。最初に行われた公開計量の時よりも500g増えていた。
ゲレーロ
 これにゲレーロ陣営は噛み付いた。再計量は、場所を移して行われたため、JBC(日本ボクシングコミッション)に対して、陣営の一人が「計量台を動かすとバランスが崩れて正確に計量できない」と大声でわめき散らした。しかし、海外でも業務執行能力が高く評価されているJBCは、国内初となるIBF世界戦の前日に起きたハプニングにも速やかに対応。別の計量器を用意し、改めて計量を行ったが、480gオーバーと、またしても計量をクリアできなかった。この間、約20分ほど経過していたが、ゲレーロは大粒の汗を拭き取っていた。
 14時04分のタイムリミットまで、45分ほど残して、もう一度外に出たゲレーロは14時に戻ると、3度目の計量を行い、52.1kgのリミットでクリアした。
いつも通り重湯から
 ちなみに、3日の世界戦のアンダーカードで登場するスーパーバンタム級の川瀬吏一(Gツダ)は、ゲレーロの3度目の計量を待つ間に自身の前日計量に挑み、今回の珍事で用意された2つの計量台で測定を行い、無事2回とも55.3kgでクリアした。
 IBFは規定により、試合当日にも計量を行い、4.5kg以上(当日の体重リミット56.7kg)体重を上げてはいけない。WBCやWBAなどにはなく、日本では馴染みのないルールだが「やってみないとわからないが、これから何を食べるか、何を飲むかを考えながら明日の当日計量に備える。何グラム飲んだかを計りながらやるよ」と静かに語る大毅は「3兄弟で、一番いい試合がしたい。一番強いと言われたい」と熱い思いを口にした。
試合でも波乱は起こるか
 「日本のように何事にも正確な国で、こんなことが起こるとは思わなかった」と計量時の珍事を振り返ったゲレーロは、3度目の正直で計量を終えると笑顔でフルーツとスポーツ飲料水を堪能した。
 1日に調印式が行われ、この時には試合で使用するグローブを選択していた大毅とゲレーロだったが、この日になってゲレーロ陣営は別のカナダ製グローブを持参し、試合で使用したいと申し出た。これには、IBFのオフィシャルもJBCの森田事務局長も困惑していたが、あすの当日計量に立会う世界戦のスーパーバイザー(立会人)に判断を委ねるとのこと。
 波乱含みのIBF国内初の世界戦は香川で初の世界戦。さあ、どうなる?