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[試合後会見]2013.8.4

初防衛か3階級制覇か

左:胡 右:中川
 日本ミドル級タイトルマッチ、王者の胡朋宏(25=横浜光)対同級1位の中川大資(35=帝拳)の10回戦は3日、東京・後楽園ホールで行われた。初防衛戦の胡に対し、ウェルター級とスーパーウェルター級の元王者でもある中川は3階級制覇を狙っての挑戦。25歳の王者と35歳の挑戦者はどんな戦いを展開したのか。
7R、胡が力尽きダウン
 試合は初回から迫力のある打撃戦となった。前日の計量から約10キロの増量でリングに上がった胡は馬力を生かして挑戦者を押し込む。約2キロのリバウンドに抑えた中川は得意の右ストレートをヒットして対抗した。その後も両者は壮絶な打撃戦を繰り広げた。中川が右から左もフォローすれば、胡も右フックを中心にした重いパンチを返す。3R、4Rと流れはやや胡に傾いたが、5R、6Rは逆に中川が右クロスを再三ヒットして混戦から抜け出した。
中川が日本3冠達成
 迎えた7R、右の相打ちをきっかけに中川が左右をフォローして胡を追い込んだ。さらにロープ際で正確な左右を追撃。こらえきれずに胡はダウンし、辛うじて立ち上がったもののビニー・マーチン・レフェリーは両手を頭上で交差した。
無念の胡
 初防衛戦でベルトを失った胡は、疲労と失意のためか控室では下を向いたままだった。それでも問いかけには気丈に答えた。「細かいパンチを浴びてリズムがとれませんでした。経験の差とかではなく、序盤にコツコツ浴びたパンチのダメージが溜まりすぎたんだと思います。初防衛はしたかった…」
狙うはあくまでも世界
 一方、4人目の国内3階級制覇を成し遂げた中川は、右の拳を気にしながら控室に戻ってきた。「薬指の付け根が折れているらしいです。途中で違和感はあったけれど、最後にフォローしたあとで急に痛み出したんです」と、右手を冷やしながらも表情は緩んだままだった。「左ジャブを突いてガードを上げて戦えればよかったけれど、1Rから効いているのが分かっていたのでチャンスは逃したくないじゃないですか。引きたくはなかったので行きました」と激闘を振り返った。五代登、前田宏行、湯場忠志(4階級制覇)に続く3階級制覇とあって、35歳の新王者は結果に満足そうだった。「素直に嬉しいですね。これで少しは名前が残りますからね」
愛娘をリングに上げ喜ぶ中川
 戦績は中川が27戦22勝(17KO)3敗2分。胡が14戦11勝(11KO)3敗。