[試合後会見]2013.7.22
5度目の挑戦は実ったか
左:孫 右:江畑
22日、後楽園ホールでは東洋太平洋女子フライ級王座決定戦が行われた。1位の江畑佳代子(37=ワタナベ)はこれが5度目の王座挑戦。一方、2位のソン・チョーロン(26=韓国)は元世界王者。江畑は悲願を成就することができたのか。
江畑のワンツーがヒット
攻撃型のソンが低い姿勢から潜り込もうとするのに対し、江畑は足をつかいながら距離を保つ策を選択。噛み合わせが甘いまま4Rが終了し、公開採点は38対38が二者、もうひとりが39対38で江畑と、ほぼ互角だった。5R以降、はっきりと抜け出したのは江畑だった。足をつかいながら右ストレートを再々好打。7Rと8Rは手数とクリーンヒットで元世界王者を圧倒した。ソンが6Rにホールドで減点を科されたことも追い風になり、江畑は78対73(二者)、79対73の大差で勝利を握った。
37歳で初戴冠
リング上で新王者がインタビューを受けているとき、ソンは早々と控え室に戻った。「(江畑は)ストロング。自分のスタミナは問題なかった」と無表情で話したソンの額と左頬には赤いミミズ腫れがあった。15戦11勝(3KO)4敗。
江畑の会見
ほとんど傷もないままロッカールームに引き揚げてきた江畑は、「本当にベルトが欲しかったんです」と、5度目の挑戦が実っただけに感慨もひとしおといった様子だった。「ソンは前に出て来るとは思ったけれど、あれほど絡んでくるとは思わなかった。ファイターとスパーリングをやっていたけれど、それでもやりにくかったですね」と、試合を振り返った。さらに戴冠までの長い道のりを思い出し「OPBF(東洋太平洋)2回、世界2回、負けたら引退勧告かというなか、よくチャンスをつくってもらえたなと思います。何回もやめようと思ったことはありました。きょうも崖っ淵だったので、絶対に負けられない試合でした」とホッとした様子だった。
勤務先にも感謝
広告代理店に勤務する37歳の新王者は「明後日から出社です」と笑顔で会見を締めくくった。10戦6勝(4KO)4敗。