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[試合後会見]2013.5.5

乱戦を制したのは

左:佐々木 右:加藤
 4日、後楽園ホールで開催された「第513回ダイナミックグローブ」では、日本ライト級王者として4度のタイトル防衛中の加藤善孝(角海老)と、東洋太平洋3階級制覇を狙うWBC世界同級14位・佐々木基樹(帝拳)が拳を交えた。
 東洋太平洋ライト級王座決定&日本同級タイトルマッチ、ライト級アジア最強の座を奪い獲ったのは…。
5R,佐々木にアクシデント
 序盤から打撃戦となるも、加藤がジャブでリズムを作り、右ストレート・左フックを佐々木にヒット。4回終了時、判定3-0(39-37・39-37・40-36)で加藤リードする。しかし5回、クリンチ状態でストップが掛けるも両者は気がつかず、加藤の左フックを浴びた佐々木が大の字に。ここでレフェリーは試合を止め、佐々木に休憩を取らせ、加藤にはストップ後の加撃で減点1。再開後、佐々木はワンツー・左ボディで襲い掛かるが、加藤も下がらず右クロス・左フックで迎え撃つ。7回、佐々木は頭が度々当たり、バッティングで痛恨の減点1。8回終了時、判定3-0(77-74・77-73・77-73)で加藤。終盤、ポイントを盛り返そうと佐々木は猛追するが、加藤は的確な右ストレートでポイントアウト。加藤が判定3-0(116-111・116-110・116-110)で佐々木を退け、日本&東洋太平洋ライト級2冠王となった。
これが最後となるのか!?
 最後のチャンスとリングに臨んだが、加藤の右ストレートにポイントを奪われ判定で敗れた37歳の佐々木は「元気ですよ。言い分はあるが、すべて言い訳になってしまう。ポイントもおかしいとは思っていない。ボクシングは結果がすべて。自分が弱く、加藤選手が強かった。ただそれだけ」と笑顔を見せるが、無理に繕っているようであった。試合で負った眉間の傷は深さ3cmほどあり、佐々木は会見後の治療で8針ほど縫ったとのこと。
加藤が2冠王者に
 ベテラン佐々木を判定で退け、日本&東洋太平洋ライト級2冠王となった加藤が控え室で会見を開いた。「佐々木選手に勝てたのが収穫。5ラウンドの左フックは故意じゃないです。嫁がもう直ぐ出産で、僕も父親になる(笑)。負けられない試合だったし、本当に勝てて良かった」と安堵の表情を浮かべた。
対照的に満面の笑み
 倒せそうな場面も終盤あったがと問われ加藤は「自分の戦いを貫ければ勝てると思った。佐々木選手は誤魔化すのが巧く、過去に死んだふりとかあり、こちらも詰められなかった。右も手応えのあるパンチが当たっていたが、打たれ強かった。倒したかったですね」と佐々木の気持ちに前に出られなかったとコメント。
世界が見えてきた
 2冠王者として今後を尋ねられ加藤は「これで世界ランクに入れれば…。でも今日の内容では課題もあるし、これでは世界挑戦と言えないかな。一歩一歩階段を上がって行くだけです。前回の防衛戦から2ヶ月弱で試合だったので、少し休みます」と激戦の疲れを取りたいと語った。