ソリス「全てをぶつける」

　練習前にマヌエル・ペレス・バレイノ・マネージャー、セルソ・チャベス(パナマ)トレーナーと会見を開いたパーラは「スパーリングを充分にこなし、12ラウンドではなく24ラウン ド戦う準備はしてきた。6日は2試合戦っても大丈夫だ」と万全の仕上がりであると語り、正規王者・河野の印象を尋ねられると「非常にパワフルなボクサーで、アグレッシブに出てくる。しかし誰が本当のチャンピオンかをコウノは知ることになるだろう」と暫定王者が語ると、チャベス・トレーナーは「ソリスはクレバーで頭が良く、パーフェクトなボクサー。コウノも素晴らしいファイターだが、残念ながらソリスの方が優れている。判定でもKOでもソリスがタイトルを統一することになる」と勝利を宣言した。

　報道陣からチャベス・トレーナーに、現役時代は渡辺二郎のWBA世界スーパーフライ級王座に挑戦経験がありますねと問われると「私はプロで20試合を戦った。18戦目でジロウ・ワタナベと拳を交え、最終回に倒された。トレーナーに転向してからは、世界チャンピオンクラスは10人位は育てたかな。アイルランド、パナマ、コロンビアでトレーナーをしてきたよ」とアンセルモ・モレノ(パナマ)、ファン・ポロ・ペレス(コロンビア)といった世界王者を育てた名伯楽は目を細めた。

　公開練習に移ったソリスは多くの報道陣に上機嫌となり、カメラマンに向かってポーズを取ったり、シャドーボクシングを行うなど、サービス精神旺盛な一面も見せた 。チャベス・トレーナーとのミット打ちでは、ソリスの鋭い右ストレートにミットが吹き飛ばされる場面もあり、強打振りをアピールした。3ラウンドのミット打ちで、ソリスはミドルレンジから回転の早いワンツー連打・左ボディ・左アッパー・右ストレートをを浴びせ、今すぐにリングへ上がっても問題ないといった動きを披露した。

　ソリスの練習を視察した高橋トレーナーは「強いということを確信したし、ソリスは調子にのせるとやばいタイプ。河野は大振りすることなく、低い重心から体のどこでも良いからパンチを当てていきたい。バックステップに磨きを掛けてきたので、動けるファイターの本領を発揮させ、後半が勝負でしょう」と河野の足で後半に期待してほしいと語った。

　ニックネームであるマニキータ(小さな猛者)の意味を尋ねられソリスは「コウノとの試合を観て、マニキータの意味を理解するだろう。私の前に立ち塞がる者は全て倒すだけだ」と力強く語り、最後に統一戦へ臨む意気込みを求められ「とてもシリアスな戦いになるだろう。だが私はこの瞬間を待ち望んだ。タイトルを統一して母国に帰る」と鋭 い視線をテレビ東京のカメラに投げかけた。
　最後まで自信満々の表情であったリボリオ・ソリスは、大田区総合体育館のリングで河野公平との統一戦を制し、WBA世界スーパーフライ級「真」王者としてベネズエラに凱旋することができるのか…。