佐藤、普通に勝つ!!

　金平会長、新井トレーナーと共に会見を開いた佐藤は「コンディションも凄く良いですし、12ラウンドのスパーでもスピードが落ちることなく動けている。あとはタイで調整するだけ。タイだからと言って焦りもないし、これまでと気持ちは変わらない。どっちに転んでも面白い試合をするだけですよ」と現在の心境を語り、改めてタイで防衛戦を行うことに「場所は関係ない。リングに上がれば、日本もタイも同じですから。ベルトを守るに越したことはないが、いつも通りのボクシングをするだけです」とアウェイは気にしないと笑顔を見せた。

　日本人がタイで防衛すれば、史上初の快挙となることを尋ねられ佐藤は「勝てば凄いですが…。舐めている訳ではないが、シーサケットに勝って賞賛されても。僕に史上初は不釣り合い(笑)。普通に勝ち、普通に帰ってくるだけ。試合を48分間頑張り、タイで1週間楽しんできます」と敵地を楽しむ余裕を浮かべ、シーサケットの印象にも「身長差があり、スイッチをするのでそこの部分は見極めたい。それでもスピード、総合的にレベルは僕の方が上ですから。シーサケットは100%勝てるといっているが、勝負事に100%はありませんから(笑)。リアルな確率でいえば、僕が75%の確率で勝つでしょう!!」と現実的な数字を口にし、堂々の勝利宣言となった。

　会見終了後、佐藤は2ラウンドのシャドーで身体を温め、同門のバンタム級6回戦・佐藤鋼太をパートナーに4ラウンドの公開スパーリングを行った。序盤から佐藤がジャブでパートナーをコントロールし、ミドルレンジからワンツー・左ボディを突き刺せば、強引に詰める佐藤(鋼)に対し、バックステップからカウンターの右ストレート・左フッ クを浴びせ、報道陣に万全の仕上がり具合いを披露した。

　パートナーを務めた佐藤鋼太は「強かった 。佐藤さんのパンチは他の選手と違い、刺すような感じ…。タイでは普通に勝つでしょう。いつも通りのスタイルで頑張って下さい!!」と先輩であり、憧れの世界王者にエールを送った。

　最後に佐藤は「タイの空気に飲まれることなく、自分らしく戦えるか自問自答していますが(笑)。今までと変わらないパフォーマンスでシーサケットを翻弄し、佐藤洋太らしく戦ってきます!!」と日本のファンにメッセージを送った。
　敵地に乗り込む佐藤だが、会見では笑顔が絶えることなく、その表情に大きな期待を抱かせた。17戦16敗1分とタイで続く日本人世界戦負の記録、みちのく魂の拳が新たな歴史を作り上げるのか期待したい!!