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[試合後会見]2013.4.21

日韓戦に勝利したのは

左:キム 右:岩渕
 21日、後楽園ホールで日本初開催となった日韓対抗戦のメインイベントは、東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチが締め括った。
 王者キム・ミヌク(韓国)と挑戦者・岩渕真也(草加有沢)、互いに一撃必殺の拳を宿すハードパンチャー同士が激突、アジア最強の座に君臨したのは…。
王者キムが岩渕を退けV3
 王者キムは右ストレートで前に出るが、サウスポーの挑戦者・岩渕はジャブで距離を測り、左ストレートで腰を沈める。しかし王者は圧力を掛け右ストレートで挑戦者にロープを背負わせ、ワンツー・左フックを浴びせる。4R終了時、判定3-0(39-38・39-37・40-38)でキム。中盤、岩渕は右ボディ・左ボディアッパーで崩しに出るが単発となり、キムの圧力に距離を潰され右ストレート・ワンツーを打ち込まれる。8R終了時、判定3-0(78-75・79-75・79-74)で王者リード。終盤、岩渕はジャブでリズムを作り、ワンツーでキムの顔面を捕らえ右フック・右アッパーで畳みかける。だがキムは無類のタフネスを発揮、決して退くことなく右ストレート・左フックで岩渕からポイントを奪った。王者キムが判定3-0(116-114・117-115・116-113)で東洋太平洋スーパーライト級王座V3に成功すると同時に、日韓対抗戦を韓国の3勝2敗とし、団体戦も勝利を奪い獲った。
進退の明言は避けた岩渕
 東洋王座と世界ランクを奪い、世界の階段を駆け上がろうとしたが、王者の右ストレートと打たれ強さに惜敗を喫した挑戦者・岩渕は「最後ラウンドはKOしかないと思っていた。キム選手はスピードがあり、打ったら返されるという警戒心からジャブが当たっていたが2発目が打てなかった…。キム選手の左フック・右ストレートは堅くガツンとくる感覚で、攻めさせない技術もありました」と試合を振り返り、今後について尋ねられ「最後と思い戦っていたので、こういう結果になり今は何も言えない…。時間をおいて考えたい」と語り悔しさを滲ませた。
ジャッジは分からなかった
 日韓の倒し屋対決をタフネスで制した王者キムが控え室で会見を開いた。「本当に難しい試合だった。最後まで勝っているとは思わず、諦めることなく本能で戦った。途中のジャッジも日本語で分からなかった(笑)。勝ちたいという一心で戦ったし、この勝利はスタッフみんなのお陰です」と笑顔を見せた。
キムの会見
 多くの報道陣を前に王者キムは「僕は相手のスタイルに合わせて戦う。だから相手がオーソドックスであろうが、サウスポーであろうが関係ない。イワブチのパンチは強かったが、そんなにダメージはないよ(笑)。またチャンスがあれば日本のリングでタイトルを賭けて戦いたい!!」と東洋王者は再来日を熱望した。
強さを見せつけた
 5試合がライナップされた日韓対抗戦は、韓国が3勝2敗と日本を退けた。そして韓国に勝利を引き寄せた王者キム・ミヌクは、スーパーライト級アジア最強を日本のボクシングファンに証明した。果たしてキムのタイトルを奪うべく、挑戦に名乗りを上げる新たな日本人ボクサーは現れるのか…。