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[ニュース]2013.4.17

村田、プロA級合格

いよいよプロへの第一歩
 三迫ジムからのプロ転向を表明していたロンドン五輪ミドル級金メダリスト、村田諒太が16日、井上尚弥(大橋)対佐野友樹(松田)の試合が行われた東京・後楽園ホールのリングでA級ライセンス取得のためのプロテストに臨んだ。前日本ミドル級王者、佐々木左之介(ワタナベ)を相手にしての3分×3ラウンドのスパーリングは、実戦さながらの迫力だった。
開場前のシャドーテスト
 通常、プロテストは非公開で行われるが、金メダリストの受検とあって満員の観客の前で実施された。しかもテレビのゴールデンタイムで生中継されるという特別扱いだった。
 14オンスのスパーリング用ソフトグローブとヘッドギアを着用したスパーリングは、村田の右ストレートで始まった。重いワンツーが前日本王者の顔面を弾き、ボディブローや右アッパーも決まる。佐々木が攻勢に出ると村田は左腕を下げた状態でショルダー・ブロックを用いるなど、アマ王者らしいテクニカルな一面もみせた。
村田の右が炸裂!
 その後も両者は激しくパンチを交換。場内からは「すげぇなぁ」という感嘆の声もあがった。村田は右ストレートや右アッパーを折々に決め、それに対し佐々木も臆せずに応戦したが、内容的には村田に分のある3ラウンドだった。リングを下りた佐々木は「ワンツーが速いですね。このクラスであれだけスピードがあるのは自分以外にはいませんね(笑)。接近戦が巧いしパンチが正確です。スピードがあるのでもらってしまうんです」と、村田の速さに驚いた様子だった。
前日本王者も脱帽
 3ラウンドの内容に関しては、自分が押されていたことを認め「フルマークで向こうの勝ちでしょう」と苦笑いを浮かべた。
 将来性に話がおよぶと、マッチメークしだいと前置きしたうえで「世界10位以内には早い段階でいくでしょう。そこからどれだけ上積みするかというところじゃないですか。すでに日本レベルよりも上にいるかもしれませんね」と話した。
見事A級ライセンスを取得
 井上対佐野の試合を挟み、リング上でA級ライセンス取得が伝えられた村田は、直後に会見に臨んだ。「まずはプロテストをクリアできてホッとしています。テストなので技術をみてもらうようにやりました。スタミナに不安はあるけれど、ペース配分して3ラウンドやれたので今後に繋がると思います」と率直な感想を口にした。スパーリングの内容に関しては「クリーンヒットはもらいませんでした。でもジャブの相打ちをもらったので、今後はしっかり走り込んでバランスや下半身強化に努めます」と話した。
待望のデビュー戦は…
 A級ライセンスを取得したことで8回戦以上の試合に出場することが可能になったが、まだ先のことは何も決まっていないという。気になる初陣に関しても「デビュー戦は調整ができればいつでもいいけれど、すべては関係者に一任しているので、僕は信じてついていくだけです」と話すに留まった。
 金の卵のプロ生活が4月16日、正式にスタートした。