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[野崎インタビュー]2013.3.16

4:6で僕が不利

明日、決戦。
 原則24歳未満を対象に設けられたWBCのユース王座は、次世代を担う若手選手の登竜門的な存在となっている。そのバンタム級王座を保持しているのが野崎雅光(八王子中屋)だ。昨年11月に王座決定戦を制してベルトを手に入れた王者は、17日(日)には初防衛戦を控えている。名古屋国際会議場で11戦無敗(9勝6KO2分)の田中裕士(畑中)の挑戦を受けるのだ。相手の地元に乗り込む野崎は「たまたま僕がタイトルを持っているだけで、防衛戦とは考えていない」と挑戦の気持ちを強調する。
アウェーで初防衛戦
■試合が目前に迫りましたが、コンディションは?
野崎 胃の中が空だと動けなくなるので、炭水化物を摂ってから練習をするなど気をつかいましたが、そのお陰でいい感じできています。あとは減量の疲れを取ってベストに仕上げるだけです。

■今回は田中選手の地元に乗り込んでの防衛戦となります。しかも相手は11戦無敗の強敵ですね。
野崎 田中選手はアマチュアの経験も豊富なうえ、映像でみると随所に光るものがありますね。テクニシャンなので、パンチをもらわないように気をつけます。

■どの点で勝負しますか。
野崎 海外での試合経験など僕の方がプロとしてのキャリアはあるので、そのあたりでしょうかね。技術では相手が上かもしれないけれど、ボクシングはやってみないと分からない。勝った人が強いという世界なので。
野崎雅光
■話を聞いていると、相手の方が強く聞こえますが。
野崎 いや、たまたまタイトルを僕が持っているというだけですから。防衛戦とは考えていません。僕の方が上とは思っていないんですよ、ホントに。しっかりと目の前の試合に勝つことだけを考えてリングに上がります。

■では「野崎対田中」を客観的にみたらどなりますか。
野崎 田中選手は映像でみても強いので、客観的にみたら4-6じゃないですかね。相手が6で僕が4です。よくて五分五分というところでしょう。危機感はあります。

■どんな展開を予想していますか。
野崎 映像でみた田中選手は誰とでも打ち合っていたけれど、実際には足をつかってポイントを稼いでくるかもしれないし、それは蓋を開けてみないと分かりませんね。経験上、ファイターが足をつかうケースもあったので。
ポスター
■田中選手にメッセージを。
野崎 僕は強気なことを言うのは苦手なんですよ。外見では怖い人みたいに思われているかもしれないけれど、中身はそんなことないんですよ(笑)。自分に自信がないんでしょうね。これまでも試合前の時点で自分の方が相手よりも上だと思ったことはないんです。でも、試合が始まると別ですよ。メッセージですか……そうですね、田中選手、お互いの力を出し合って頑張りましょう。

ボクモバの目

 本人が気にしているように一見すると怖そうな野崎だが、接してみると極めて礼儀正しい好青年であることが分かる。コメントも控えめだが、言葉の端々には芯の強さが感じられる。2年前のメキシコ遠征で試合直前にキャンセルが相次ぐなど不運な経験もしたが、そうしたハプニングが野崎の精神面を成長させたのだろう。
 前戦で元世界王者ワンディ・シンワンチャー(タイ)を倒している田中は野崎にとって強敵だが、好勝負になるのではないだろうか。
 ユース王座戦に相応しいエネルギッシュな攻防を期待したい。