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[試合後会見]2013.3.3

「桃の節句」の主役は!!

左:ヒメネス 右:小関
 3月3日、後楽園ホールで開催された「G-Legend.5」トリプル女子世界タイトルマッチのメインイベントは、WBC女子世界アトム級王者"ピンクのサウスポー"小関桃(青木)が締め括った。
 王者・小関はV10戦のリング、マリア・ヒメネス(メキシコ)を挑戦者に迎え撃ち、日本人女子最多防衛記録を達成することができたのか…。
小関が長谷川に並ぶV10
 挑戦者ヒメネスはプレッシャーを掛け間合いを詰めるが、王者・小関は鋭いジャブと左ストレートで顔面を捕らえる。早くも主導権を握った小関は、左ストレート・右フックの連打でヒメネスにロープを背負わせる。4回終了時、判定3-0(40-36・40-36・40-36)で小関リード。中盤、挑戦者は右ストレート・左フックで距離を潰そうとするが、王者はジャブで出足を阻み、バックステップでヒットを許さず、ワンツー・左ストレートを浴びせる。7回終了時、判定3-0(70-63・6370-63・70-63)で小関リードが続く。終盤、リズムと距離を掌握した小関は、リズム良くワンツー連打・右フック・左ストレートをヒメネスに突き刺す。判定となるもジャッジ三者が100-90を付け、王者・小関が挑戦者ヒメネスを完封、WBC女子世界アトム級タイトルV10に成功した。
せっかくのチャンスに悔しい
 王者のテクニックと距離の前に強打は空転、フルマークで黒星を喫したヒメネスは「チャンスを逃したのはこれで2回目だし、単純に敗者の気持ち。コセキは本当に強く、チャンピオンとしてベルトを持つに相応しいボクサー。コセキに前へ出られてしまい、思い通りの展開に持っていけなかった…」と試合を振り返り、素直に敗戦を受け入れた。
抜群の安定感を見せた小関
 パワーで攻め込む挑戦者に対し、卓越したジャブで距離を保ち、回転の速いワンツー・左ストレートでポイントアウト、磐石なる試合運びで10度目のタイトル防衛に成功した王者・小関は「フルマークは初めて。終盤に連打でストップできたと思うが、少しタンパクというか、単調な感じになってしまった…。これからは後半にパンチをまとめ、相手が"もう嫌だ!!"となる試合をしたい」と完勝の内容にも、倒せなかった展開に反省の弁。
フルマークの採点票
 女子ボクシングを牽引する立場となったことを尋ねられ小関は「誰かが女子を作っていかないとダメだと思う。防衛の更新というか、数字的なことは意識してないが…。女子の記録として、私が防衛を続けて行かないといけないと思う」と女子の発展のためにベルトを守ると語り、今後については「私が卒業した日本女子体育大学の学園祭、10月に催される健美祭で防衛戦をやりたい(笑)。それが"夢"ですから!!」と母校凱旋試合を熱望した。
どこまで防衛数を伸ばすのか
 王者はパーフェクトゲームで10度目のタイトル防衛を成し遂げ、3月3日"桃の節句"を自らの拳で小関"桃"の日とした。
 そして"ピンクのサウスポー"が夢と語る、母校・日本女子体育大学でのタイトル防衛戦は実現するのか…。