ボクシングモバイルニュース
[試合後会見]2012.12.11

最後に拳を上げたのは!!

左:瀬藤 右:大竹
 10日、後楽園ホールで開催された「ダイヤモンドグローブ」のリングでは、日本スーパーバンタム級王者"仕事人"大竹秀典(金子)がタイトル初防衛戦として、指名挑戦者・瀬藤幹人(協栄)を迎え撃った。
 王者・大竹が得意の打撃戦で"鬼門"を突破したのか、それとも挑戦者・瀬藤が"無冠の帝王"の名を返上したのか…。
大竹のボディに苦しむ瀬藤
 日本最強の称号を賭けた戦いは、挑戦者・瀬藤が小刻みなステップから右ストレートを浴びせ距離を取ろうとするが、王者・大竹が圧力を掛け間合いを潰し接近戦に引き込む。中盤から大竹が主導権を握り、得意の打撃戦の展開から7回には左フック・右ストレートで瀬藤の膝を揺らす。最後まで瀬藤も足を使い右ストレートで起死回生の逆転劇を狙うが、大竹は前に出続け左ボディ・左フック・右ストレートでポイントアウト。王者・大竹が判定3-0(96-95・96-94・97-92)で挑戦者・瀬藤を退けタイトル初防衛に成功した。
瀬藤の進退は…
 "三度目の正直"に賭けるも、タイトルをその手に掴むことは叶わなかった瀬藤は「ジャブが当たっていれば良かったが…。ジャブの練習をしてきたがボクシングは難しいですね。右ストレートで距離を取り、ジャブでもっと遊びたかった」と試合を振り返り、今後については「まだまだ僕がヘタクソ。ネバーギブアップで戦ってきたが、やっぱり悔しい。応援してくれる人、期待してくれる人もいる。今日でチャンピオンになれると思ったが。辞めちゃえば楽なんですが、悔しいですよ…」と進退については明言を避けた
大竹はホッと一息
 最強挑戦者のリズムに序盤こそ苦戦を強いられるが、強烈なプレッシャーで接近戦に持ち込み左ボディ・左フック・右ストレートと手数で上回りタイトル初防衛を成し遂げた大竹が控え室で会見を開いた。「展開的には自分の予想通りだった。瀬藤選手は一発でキメることはできないタイプ。捕まえることはできると思ったが、僕のペースに引き込めるか不安もあった」と瀬藤のリズムを警戒していたと語ると、金子賢司トレーナーは「右クロスをもらわないように作戦を立てていた。序盤にポイントを獲られるのも予想していましたから(笑)。大竹は5ラウンドからが勝負です!!」と笑顔を見せた。
拡大写真
 判定でまで試合が長引いたことに大竹は「初回に右クロスをもらったが焦りはなかった。ジャブに右クロスを被される怖さはあったが…。3ラウンドが終わったとき、今日も最後まで行くんだろうなと(笑)。最初から判定は覚悟していました」と肩から下げたベルトを見つめ安堵の表情を浮かべた。
V2は来年のチャンカン
 最後まで自分のスタイルを貫き大竹は"鬼門"をクリアするが、V2戦となるチャンピオンカーニバルのリングでは再び最強挑戦者を迎え撃つことになる。
 激戦が続く"仕事人"は日本最強の証を守り抜くことができるのか…。