最強挑戦者は準備万端

　会見前に、協栄ジム・金平会長とロペスのマネージャーを務めるガブリエル・エロルデJrとの間で、公開スパーリング実施をめぐり一悶着があった。エロルデJrによると「ロペスは減量が厳しくてスパーはやりたくない!!」と訴えていたが、金平会長は「テレビのプロモーション用に軽くで良いからスパーリングをして欲しい!!」と応酬が続き、渋々ながらロペス陣営がスパーを受け入れる形となった。

　スパー前に行われた会見では、当日の試合を生中継するTBSが代表質問としてロペスに現在のコンディションを尋ねた。「コンディションは良いよ。チャンスをくれたヨウタ・サトウとカネヒラ会長に感謝します」と減量は問題ないと語り、6月17日という早期来日の理由を尋ねると「日本に知り合いがいるので早く来ただけ。日本ではステーキを食べたよ!!」と笑顔を見せた。
　タイトルマッチに向け、ロペスに意気込みを求めると「僕は世界一を目指している。ヨウタ・サトウはスピードがあり、なかなかパンチが当たらないと思うが、右ストレートで倒す!!フィリピンのために僕がチャンピオンになる!!」とKO宣言も飛び出した。

　ここで報道陣から、来日して日本人選手とスパーはしたのかと質問されるとロペスは「誰ともスパーはしていない。やっていない」と質問をはぐらかすも、協栄陣営からの「日本人選手とスパーをやっているのは分かっているんだ!!」との追求に、ロペス陣営のアーチー・ベラモア・トレーナーは「三迫ジム、勝又ジムで練習し、日本人ボクサーとは3人スパーをした」と告白した。ここで協栄ジム・金平会長が「当日は良いコンディションでリングに上がって下さい。素晴らしい試合をしましょう!!」とプロモーターとしてエールを送った。
※ボクモバの独自取材では、戸部洋平・芹江匡晋・村中優とスパーを重ねた模様。

　会見終了後、公開練習に移ったロペスであったが、スパーリングは1ラウンドのみとなり、ロペスから手を出さず、ジャブで様子を見る程度に終わり、力強い左フック・右ストレートは影を潜め、"暗殺者"の獲物を狙う鋭い視線も光は弱く、ロペスの言葉とは裏腹に、減量苦が予想された。しかしマージャーのガブリエル・エロルデJrはボクシングモバイルに「自信は当然ある!!ロペスがベルトを獲る!!」と自信満々に答えた。

　WBC同級インターナショナル王座・WBC同級シルバー王座と獲得し、世界最高峰挑戦のチャンスを掴んだ"暗殺者"が、その拳で佐藤を王座から引き摺り下ろし、フィリピン凱旋を成し遂げるのか…。

■WBC世界Sフライ級級タイトルマッチ
王者・佐藤洋太(協栄)VS挑戦者シルベスター・ロペス(比)
■日時:7月8日(日)12時45分試合開始
■会場:横浜文化体育館
■お問合せ:協栄ジムTEL.03-6273-2117