[インタビュー]2026.1.8
迷いを捨てた35歳 永田大士が選んだ“逃げない道”
王座奪還を狙う永田大士(三迫)
前日本スーパーライト級王者の永田大士(35=三迫)は、1月17日(土)、後楽園ホールで開催される「DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.39」のメインイベントにおいて、日本同級王者の李健太(29=帝拳)と空位のWBOアジアパシフィック同級王座を争う。
永田は、昨年6月にキム・ジュヨン(35=韓国)に判定負けを喫し、保持していたアジア2冠王座から陥落。再起戦で王座奪還を目指す。拳を交える李は、無敗の長身サウスポーで、永田にとって不利予想は否めないが、永田は独特の言い回しで勝利への自信を示した。
敗戦を経て、なお前を向く姿勢に陰りはない。むしろ、言葉の端々から伝わってくるのは、肩の力が抜けたことで研ぎ澄まされた闘争心だった。勝つために何かを足すのではなく、削ぎ落とし、原点に立ち返った男の覚悟。再起戦という言葉に漂う悲壮感よりも、「もう一度、好きなボクシングをやる」という純度の高い動機が、永田大士を突き動かしているように映る。
永田は、昨年6月にキム・ジュヨン(35=韓国)に判定負けを喫し、保持していたアジア2冠王座から陥落。再起戦で王座奪還を目指す。拳を交える李は、無敗の長身サウスポーで、永田にとって不利予想は否めないが、永田は独特の言い回しで勝利への自信を示した。
敗戦を経て、なお前を向く姿勢に陰りはない。むしろ、言葉の端々から伝わってくるのは、肩の力が抜けたことで研ぎ澄まされた闘争心だった。勝つために何かを足すのではなく、削ぎ落とし、原点に立ち返った男の覚悟。再起戦という言葉に漂う悲壮感よりも、「もう一度、好きなボクシングをやる」という純度の高い動機が、永田大士を突き動かしているように映る。
取材日の練習で永田は、ひときわエネルギッシュに体を動かしていた。
理由を尋ねると、返ってきたのは意外なほど肩の力の抜けた答えだった。「いや〜、いつも通りですよ。朝起きた瞬間からスイッチが入ってるんです。『よっしゃー! 1日が始まった!』って」。特別な気合や演出があるわけではない。朝が来れば自然と前を向く。その単純さこそが、永田の強みなのだろう。
もっとも、そこに至るまでは遠回りもあった。「前はね、いろいろ考えすぎていました。勝つためにどうするか、物事をどう捉えるか…。考えすぎて今に至った、という感じで。それがつまらないなって思ったんです」。転機となったのは、井上浩樹との2戦目あたりだったという。そこから永田は“考えすぎない”ことを意識するようになった。
今は、リングの外に明確な軸がある。「息子がいるので、今は家族のことを中心に考えています」。視線は、かつてのように高みだけを見据えているわけではない。一段一段、足元を確かめながら積み上げていく。
前戦を振り返った言葉にも、その意識の変化がにじむ。「前回は、いろいろな面で雑でした。結局、全部そこに行き着く。準備で怠っていた甘い部分があったし、上しか見ていなかった。どう積み上げていくか、という視点が欠けていました」。だからこそ、今の自分は「元に戻った感じ」だと永田は言う。
考えすぎず、飾らず、家族を背負い、今日もいつも通りにスイッチを入れる。その“いつも通り”の中に、再出発の確かな手応えがある。