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[試合後会見]2012.2.5

偉業達成は果たして!!

左:湯場 右:カルロス
 4日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」のメインイベントには、日本ミドル級王座決定戦として、王座初挑戦となる日本同級1位"若き才能"カルロス・リナレス(帝拳)と、前人未到の日本4階級制覇を狙う日本同級3位"覇王"湯場忠志(都城レオ)が激突した!!
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 序盤、カルロスがスピードと距離を活かし"高速"ジャブから右クロス・左フックで湯場の膝を揺らす。しかし4ラウンド、湯場は左ストレート・右フックをカルロスのテンプルに浴びせダウンを奪うと、ここから激しい打撃戦に。カルロスと湯場は足を止め互いにワンツーを打ち込むが、湯場の左ストレートにカルロスは再びダウン。そして7ラウンド、カルロスがワンツー連打で前に出るが、湯場は下がりながもカウンターの左ストレートを突き刺しカルロスをキャンバスに沈め、日本ミドル級王座に君臨した。そして日本ボクシング界の歴史にその名を刻む"日本4階級制覇"を成し遂げたのであった。
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 王座初挑戦も無念の敗北となったカルロスは「ユバさんは戦いにくい選手だった。キャリアの差が出た。早く倒せると思ったが誤魔化された部分がある。ダメージはそれ程でもない」と試合を振り返った。もう一度戦いたいかと尋ねられカルロスは「できるならもう一度戦いたい。その時はもっと違う試合を、もっと違うカルロス・リナレスを見せられる!!」と初のKO負けにも"若き才能"は早くも再起を誓った。
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 そして前人未到の偉業を成し遂げた湯場は、日本ミドル級のベルトを肩に控室で喜びの会見となった。「5ラウンドか6ラウンドにもらったパンチでアゴがいっちゃってます。我慢のボクシングだった。一瞬のチャンスでいこうと。4ラウンドにダウンを獲ったが疲れていた。それでも冷静に戦えたのが勝因!!」と試合を振り返り、続けて「途中で"倒してくれ!!"と思っていたが、執念で勝っちゃいました(笑)。ここは笑う所ですからね。でも勝ったなんて嘘みたいだ」と湯場は笑顔を見せるが、氷でアゴを冷やす。
試合後の会見
 勝っても負けても"引退"と語っていたが、と問われ湯場は「引退の決意で臨んだ!!カルロスに勝ったことが嬉しい。KO決着は予想していたが、もう二度とやりたくない(笑)。タイトルマッチだから試合も諦めなかった。4階級制覇のために戦ってきた。本当に良かった」と安堵の表情を浮かべる。そして湯場は「実は3日前に肩を脱臼していた。絶対に試合ができないと思った。だけど昨日、ホテルでストレッチしていたら肩が入った感じになって。諦めなければ結果はついてくる。神様は見ているんだな…」と勝利を噛み締めた。
 そして最後に湯場は「これからはビックマッチを戦いたい!!ギャラ次第ですが(笑)。これで女性にもてますね。俺って凄いな!!」と"日本4階級制覇王者"は満面の笑みで早くもビックマウス全快となった。
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 百戦錬磨の戦いで若さと勢いを退けた湯場だが、今後はミドル級王座防衛を目指すのか。それとも"日本5階級制覇"となるスーパーウェルター級制圧に再び乗り出すのか。
 35歳となった"覇王"湯場忠志が中重量級戦線を激しく、そして熱く盛り上げる!!