[試合後談話]2025.6.19
衝撃の結末! 佐々木尽の挑戦。
佐々木尽(23=八王子中屋)
WBO(世界ボクシング機構)世界ウェルター級タイトルマッチが19日、大田区総合体育館で開催された「NTTドコモ presents Lemino BOXING」のメインイベントで行われ、チャンピオンのブライアン・ノーマンJr(24=米国)に佐々木尽(23=八王子中屋)が挑戦した。国内でウェルター級の世界戦が行われるのは、実に36年ぶり。日本人初のウェルター級世界チャンピオンは誕生したのかー。
世界の壁は、想像以上に高かった。
初回にノーマンが2度ダウンを奪って始まったビッグマッチ。佐々木も左フックと右ストレートに体重を乗せたが、ノーマンのディフェンスを崩せず。5回にノーマンの左フックが炸裂。佐々木は大の字にダウン。レフェリーが試合を止めた。
八王子中屋ジムは試合後、プレスリリースで、佐々木の現状を発表した。それによると、病院に緊急搬送された佐々木は、CTなど精密検査を受け、幸いにも出血などの怪我などはないことが確認されたが、後頭部を強くぶつけたために現在、記憶を失っている。身体的な怪我などは見受けられないが、大事を見て、また明日、病院に検査を受けに行く。
ダウンを奪ったノーマン
試合後、会見場に姿を見せたノーマンは、「自分がやるべきことをやった」と、冷静に試合を振り返った。挑戦者の佐々木に関しては「ハートの強いボクサーだった。初回に2度ダウンしても向かってきた。世界挑戦するに相応しい選手だった」と、称えた。試合中に佐々木が、向かってこいと挑発する場面もあったが、これには、笑顔で「エンターテイナーだと思った。嫌いじゃないよ。今日は、相手のことではなく、自分のボクシングを楽しむこと、相手が嫌がることをした」と述べ、「打ち終わりに隙があったので狙った」と、佐々木の試合のビデオでも確認していた佐々木のディフェンスの隙を逃さなかった。
And still Champion
今後に関しては、「チャンピオンになることよりも、防衛することの方が難しい。みんなに狙われる立場だからね。チャンピオンとして、日々成長していくだけだ」と述べ、次のターゲットとして、「WBC(世界ボクシング評議会)のベルトが欲しい」と、心の内を明かした。
また日本で試合がしたい!
日本のウェルター級のレベルに関しては、「これからも佐々木のように気持ちの強いボクサーがどんどん出てくると思うし、素晴らしいと思う」と、リスペクトを示した。
ノーマンシニアも笑顔
会見に同席した父、ノーマンシニアは、「一人の男として、誇りに思うよ」と、照れ笑いした。