[試合後談話]2025.6.8
坪井智也! プロ2戦目でWBO-APタイトル戦
アマチュア最高峰の世界選手権で金メダリストに輝いた実績を引っ提げて、今年1月にプロ転向した坪井智也(帝拳)が8日、有明コロシアムで開催された「Prime Video Boxing 13」で、WBOアジアパシフィック(WBO-AP)バンタム級王座決定戦に臨んだ。プロ2戦目で早くも初戴冠のチャンスを掴んだゴールデンルーキーが、同級1位のバン・タオ・トラン(33=ベトナム)と対決。ボクシング途上国の第一人者として、母国ベトナムの国旗を背負ってリングインしたトランにも大きな拍手が送られた。
技術の高さを見せた坪井智也
ヒットアンドアウェイと上下左右の打ち分けで、レベルの高いボクシングを披露した坪井。判定決着だったが、ほぼフルマークで、ベトナムの第一人者トランの鋭い右にも反応して、ダメージを受けることなく、WBO-AP初戴冠を果たした。
しっかり顔面を打ち抜いた
落ち着いた様子で会見の席に着いた坪井は、「アマチュア上がりで、上手くてすごいタフで強さがあった」と、対戦したトランにリスペクトを示した。ほぼフルマークで勝利を挙げたが、「僕のいやらしさを出して、フィニッシュに持っていけたら、ボクシングに深みが出た。前の手と上下の打ち分けは、驚異になる。スピードと緩急をつけれたら」と、課題と収穫の両方があったとした。
プロ2戦目で初戴冠
KO決着にならなかったのは、試合中の冷静な分析が故。試合の中盤までにダメージを蓄積していたトランが、「狙うとすればフィニッシュに行ったところに打ってくるフック」と考えた坪井は、「余力も残っていたし、気持ちも強かった」と、最後まで被弾を回避することに徹底し、ラッシュにいった場面でも、返してくると分かれば、ステップアウトしたことを明かした。
世界挑戦に話が及ぶと、「早くスーパーフライ級で世界を狙いたい」と、気持ちを高めた。
バン・タオ・トラン(33=ベトナム)
悔しさを噛み締めながら、那須川天心(26=帝拳)の試合を少し観戦したトランは、「また、日本で戦いに来る」と、再起を誓った。
採点表