パッキャオvsメイウェザー戦は実現するのか!?②

　今回の対戦再熱のきっかけとなったのは、メイウェザー陣営が5月5日に米国ネバダ州ラスベガスにあるMGMグランドガーデン・アリーナを予約し、パッキャオに対戦を呼びかけた。この呼びかけにパッキャオ陣営が乗ってくれば優位に交渉が進められることをみこしてのことではないかとみられている。ちなみに、最近このことに対してパッキャオのプロモーターであるトップランク社のボブ・アラム氏は「こんな大きな試合を行うにはMGMグランドガーデン・アリーナは小さすぎる。」(MGM=1万6800人収容)と語っており、5月下旬開催が前提だがラスベガスの空き地に最低4万5000人以上を収容出来る仮設アリーナをこの試合のためだけに建設する案も出している。世紀の一戦となる試合が実現するとなれば、世界中が開催地としてオファーをして入札することが一般的であり、どちらかの陣営が勝手に進められる規模の話ではないはずだ。そうなると、メイウェザー陣営のただの揺さぶりなのかは本人のみぞ知る。

　先日、ツイッター上でメイウェザーがパッキャオに向かって「5月5日にリングに上がってこい」と挑発していたが、実際のところ5月5日はロバート・ゲレーロ(米)との対戦がほぼ合意しているといわれて今週中にも発表される予定になっている。また、パッキャオもアラム氏が今週フィリピンに渡り次期対戦者の候補選びについて話合うが、アラム氏がパッキャオに提示する候補者の中にメイウェザーの名前はない。そして、アラム氏が米国に帰国する来週にもパッキャオの対戦相手の発表をするのではないかとみられている。

　もう一つ大きな問題として、ここのところ、両陣営の舌戦が激化しているが、これはあくまでもマスコミやツイッターなどのインターネットを経由したものであり、実際に両陣営が話し合ってはいない。お互いがテーブルにつかないことには対戦の可能性は一向に前に進まない。現時点では対戦が実現しても11月ごろにずれ込みそうな気配だが、最新情報によると、ボブ・アラム氏が5月下旬開催で50%-50%の取り分の条件に同意するのであれば開催場所などのことは受け入れる用意があると表明した。アラム氏のいう条件に同意すれば交渉は10分で終わると語っている。

　パッキャオvsメイウェザーは5月に実現するのか?それともまた先延ばしか?答えは近日中にすべて明らかになるだろう。両者ともに“意味のある試合”はお互いが対戦することしかないことはわかっているはずである。是非とも世界中のボクシングファンが観たい「世紀の一戦」を今年中に実現してほしいものだ。

両陣営の考え
■開催日
パッキャオ陣営:5月下旬～6月上旬
メイウェザー陣営:5月5日

■開催地
パッキャオ陣営:4万5000人以上収容可能な施設(仮設アリーナ建設も)
メイウェザー陣営:MGMグランドガーデン・アリーナ(1万6800人収容)

■次戦対戦相手候補
パッキャオ陣営:ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)、ミゲール・コット(プエルトリコ)、ティモシー・ブラッドリー(米)、レイモント・ピーターソン(米)
メイウェザー陣営:ロバート・ゲレーロ(米)、サウル・アルバレス(メキシコ)


パッキャオvsメイウェザーに関して中心人物の発言
■マニー・パッキャオの発言
　◎ボブ・アラム氏にメイウェザーとの対戦を実現するように言う。
　◎5月に対戦する可能性はあるが、これからアラム氏などと話合ってベストな選択を決めたい。

■フロイド・メイウェザーの発言
　◎5月5日リングにあがってこい(ツイッター)
　◎オリンピックスタイルの薬物検査を受ければいつでも対戦する。
◎ベルトを賭ける用意はある。パッキャオ、キミはどうだ?歴史をつくろう(ツイッター)

■ボブ・アラム氏(トップランク代表)の発言
　◎5月5日にパッキャオは試合できない。最短で5月下旬。
　◎メイウェザーは私とパッキャオの名前を出して対戦に応じなかったからロバート・ゲレーロ(米)と対戦することを正当化しようとしているんだ。
　◎5月下旬開催の条件に同意するなら交渉する用意がある。


その他関連情報
■メイウェザーは6月1日より刑務所に収監される予定。
■メイウェザーの5月5日の対戦候補最有力はロバート・ゲレーロ(米)また、候補としてサウル・アルバレス(メキシコ)の名前も上がっている。
■パッキャオの次戦は6月上旬を予定。ファン・マヌエル・マルケスとの4度目の対戦か?
■アラム氏はラスベガスの空き地に仮設アリーナをこの試合が実現した場合に建設する考えを明かした。完成が最短でも5月下旬。