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[電話取材]2025.1.29

激戦から5日。高田勇仁が勝負を決めた右アッパーについて語る。

WBO-APミニマム級王者:高田勇仁(ライオンズ)
 WBOアジアパシフィック・ミニマム級新チャンピオンの高田勇仁(26=ライオンズ)が28日の夜、電話取材に快く応じ、「外に出かけたりはしているが、今はのんびりしている。まだ目の上の青タンは残っているが、腫れもひいてきた」と語った。
「用意していたパターンがハマった」
 「自分の反省点を見返したいし、家族も見たいというので」と、試合映像を5回以上は見ているという。

 戦前、渡邊利矢マネージャーと研究した上でアッパーの練習をしていたようで、「いくつか用意していた作戦の一つがハマった。一度、アッパーを打った時にガードされたので、違う攻め方をしたらアッパーが入る距離になったので、打ったら上手く決まった」と、試合が大きく動いた3ラウンドのダウンシーンを説明した。
「小林選手はこれまでで一番やりにくかった」
 「ダウンを奪って仕留めに行こうとしたが、相手の回復が早くて打ち返してきた。小林選手のジャブが邪魔で、右を狙っているのもわかったので、攻めきれなかった。もっと空いているところ、(懐に)入りやすくできるように、さらにタイミングを変えたらもう一度、倒せたかもしれない」と、反省点を挙げるのも忘れなかった。

 後半はボディで効かされ、反撃された。「前半は相手のボディ打ちを警戒していたが、右アッパーが入るので狙いすぎてしまい、身体が正面気味になったところにもらってしまった。やはりチャンピオンなだけあって、やりにくく本当に強い選手だった」。
「最後は下がりたくなかった」
 最終12ラウンド。高田は、なりふり構わずパンチを振り回して、この試合への執念を感じさせた。「セコンドから『ポイントは取れている』と聞いていたが、最後のラウンドは避けることに専念したら、気持ち的に負けた感じになるし、下がったことで倒れたら後悔する。それなら、前に出てどっちが倒れるかの勝負をしたかった。最後は疲れすぎてガムシャラに振ってしまいましたが(笑)」。
高田勇仁! 世界へ一直線!
 高田は、4度防衛した日本タイトルを返上し、退路を絶って挑んだ一戦で、WBOアジアパシフィック王者を撃破。ミニマム級国内ナンバーワンを証明した。

 「やっと国内で一番を証明できたかなと思う。しかし、世界となると、まだ力が足りない。松本選手(松本流星/帝拳=日本王者)という強い選手が上がってきているので、負けないよう上を目指す。足りない部分を修正して世界を目指す」と今後の抱負を語った。

 高田は、今週末からロードワークを再開し、来週から練習を始める。