ウェルター級アジア2冠戦! 佐々木尽と坂井祥紀の矛盾対決!
OPBF東洋太平洋・WBO-APウェルター級アジア2冠王者の佐々木尽(23=八王子中屋)が24日、元日本同級王者の坂井祥紀(34=横浜光)を挑戦者に迎えて、有明アリーナで防衛戦に臨んだ。
スピードとパワーで勝る佐々木が、左ボディと右フックとストレートで崩しにかかるが、坂井はガードを固めて丁寧にジャブを突き返し、距離がつまると右アッパーをコツコツ打ち続け、ガードの隙を見て右ストレートも打ち下ろした。それでも、前に出続ける佐々木の動きも止まらず。11回、佐々木の右オーバハンドを顔面に喰らった坂井だったが、バランスを崩しながらもクリンチして、追撃を免れた。最終回は、接近戦でクリンチせずに最後まで打ち合った両者だが、どちらも倒れず。それでも、佐々木がジャッジ3者の支持を集めた。
試合後、会見場で佐々木は「倒せなかったのは悔しいが、坂井選手はタフで、大和魂というか気持ちが強くて、これから世界を目指すにあたって、そこに向けては良い経験になった」と、6連続KO記録を更新できなかったことについては前向きに捉えた。「左ボディの手応えはかなりあったが、坂井選手は気持ちが強くて効かせることができなかった」と振り返り、「今年チャンスがくれば、史上初の日本人世界ウエルター級チャンピオンになりたい」と今後の抱負を語り、眼を輝かせた。
試合後にリングサイドに向けて頭を下げたことについて記者に問われると「ボブ・アラム(トップランク社CEO)氏に今年、WBOウエルター級チャンピオンのブライアン・ノーマン(24=米)とやりたいというアピールだった」と、世界タイトル挑戦に旺盛な意欲をみせた。
中屋廣隆トレーナーは「こういう試合を何試合かやりたかった。1ラウンドKOではなく、ラウンドによって組み立て、阿吽の呼吸。練習になりました。素晴らしかった」と愛弟子の成長を確信した。
中屋一生会長も「いい経験になった。次につながる」と23歳の佐々木を労った。