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[ショートインタビュー]2025.1.18

看護師ボクサー前原香那枝がタイトル初挑戦!

前原香那枝(35=三迫)
 日本女子ミニマム級1位の前原香那枝(35=三迫)は、1月21日(金)、後楽園ホールで開催される「Lemino BOXING フェニックスバトル128」において、同級2位の漣バル(さざなみ・ばる/21=ワールドスポーツ)と空位の日本女子ミニマム級王座を争う。

 大学病院で看護師を務めながらボクシングとの両立を図る前原は、昨年2勝1分の成績を残し、ランキングを上げて、初のタイトルマッチのリングに上がる。
大学病院で看護師として勤務
 前原は福井大学を卒業後、都内の大学病院に勤務し、今年で12年目を迎える。現在は個室のVIPを担当しており、ここには書けないような有名人の担当をしているという。

 3交代制で夜勤もあり、婦長に相談しながらシフトを調整して練習時間を確保している。夜勤の日は練習後、1時間仮眠してから病院に向かうという。
加藤健太トレーナーとのコンビで実力をつけてきた
 普段から物静かで、こう言ってはアレだが、とてもボクシングをしているようには見えない。「看護師を始めて3~4年の頃。精神的に本当にキツくて…。そんな時に女子ボクサーが主人公の映画『100円の恋』を見て」と、職場から近い協栄ジムに入門した。「仕事ではずっと怒られてばかりなのに左手を出しただけで、『ナイス!』と褒められたのです。それが本当に心地良かった」と、どっぷりとボクシングにのめり込んだ。

 周りから勧められて「看護師との両立は難しいので、一度だけ出てみよう」とプロボクサーになり、デビュー戦を勝利。2戦目まではワタナベジムに所属していたが、コロナ禍で仕事が忙しくなり、ボクシングから離れた。ジムに戻った時に、指導を受けていたトレーナーが退職していたため、「環境を変えたくて」三迫ジムに移籍した。
キレのあるパンチを打ち込む
 声が小さく気弱な感じを受けるが、練習になると表情が一変。一心不乱に加藤健太トレーナが持つミットにパンチを打ちこんでいたのが印象的だった。

 「相手は若くて勢いがあり、パンチ力がある」と拳を交える漣の印象を語ると、「自分が上回っているところですか? 年齢くらいですかね」と笑った。
練習してきたことが出せるようになってきた」
 謙遜している前原だが、ここ数戦、見違えるような動きを見せており、「練習でやってきたことがスパーリングで少しだけ出せるようになってきた」と、手応えを掴んでいる。
日本王座へ
 「チャンピオンになって、形に残るものが欲しい。まずは、練習したことを出し切ること。その上で勝ちます」と控えめに意気込んだ。