健文トーレスが7年ぶりに日本のリングへ
8月24日(土)に大阪・大和アリーナで開催される「3150×LUSHBOMU vol.1」で行われる52.5kg 契約10回戦で 、WBO世界スーパーフライ級 1位のKJ・カタラジャ(29=比)と対戦するWBO世界バンタム級11位の健文トーレス(36=TMK)が20日、大阪府内のジムで練習を公開し、取材にも応じた。
下記、会見での一問一答
Q.日本での試合は何年振りになるか?
健文:約7年振りに日本で試合をする。
Q.今回の試合が決まってどう思いますか?
健文:今回の試合を組んでくれた方々もそうですが、日本で試合をするにあたって、ライセンス取得にご協力してくれた方々にも感謝しております。
Q.TMK ジムに所属した経緯は?
健文:昨年5月に和毅選手に連絡をしてジムを見学し、その際にトレーニングを見て、このジムしかないなと強く思い、前からアプローチをしていたのに試合に負けてしまい、タイミングを逃してしまったが、前回ガバリョに勝ち、改めてお願いしてTMK所属となりました。
Q.亀田三兄弟との関係性は?
健文:幼少期から一緒にトレーニングをしていたり、小学校が一緒で遊んだりもしていた仲。 学年は興毅ファウンダーの一つ下。大毅会長の一つ上の学年です。
Q.前回の当時のWBOバンタム級1位ガバリョ(フィリピン)との試合をどのような気持ちで臨んだか?
健文:自分では勝てないと、一度はオファーを断ったが、なんでこのような機会を断ってしまったのかと一生後悔すると思い、もう一度自ら連絡し、試合に臨んだ。イチかバチかの勝負でした。
Q.今回の対戦相手のKJ・カタラジャ選手の印象は?
健文:強い選手なのは間違いない。パンチもあるでしょうし、うるさそうな選手。でも自分が負けるとは全く思っていない。TMKジムに所属してから体のケアから学び直して、今までで一番充実した練習ができている。今のオレが気持ちと技術で負けることはない。
Q.過去の犯罪歴(タクシー強盗など2度の収監。刑務所暮らし等)を振り返ると?
健文:刑務所には6年半+4年半、計11年入っていました。自分が罪を償えるとは思っていない。被害に遭わせた人もいます。仮に自分が世界王者になったとしても、自分が更正したとは言えない。だけど、自分が間違っていたことを理解し、ボクシングは好きだったとあらためて感じた。その思いだけでも、今回の試合で示したいと思う。
Q.今の仕事は何ですか?
健文:知り合いの紹介で介護士の仕事をしています。介護の仕事を通じて、感謝されることのありがたみと嬉しさに気づくことができた。それで自分は人のありがたみを理解することができた。
Q.この試合に向けての意気込みをお願いします。
健文:今回の試合に向けて自分がびっくりするくらい応援してくれる人が沢山いることが分かった。チケットもすぐに完売した。お兄ちゃんを始め、家族には色々迷惑をかけたけど、今でも応援してくれるし、相談に乗ってくれる。応援してくれる皆のためにもリングで感謝の気持ちが伝わるボクシングをします。
隣でトーレスの話を聞いていた亀田興毅プロモーターも「健文は昔から知っているけど、ほんまに周りから絶対世界王者になる』と言われていたほど凄かった。そんな彼が紆余曲折を得て、ようやくこの舞台まで戻ってきた。和毅のメインイベント、優大のセミファイナルとともに健文の試合を含めた3試合は、全ての試合が勝てば世界戦という大一番。健文も相手は相当強いけど、頑張ってほしい」と幼馴染の健闘を期待していた。
会見の後に、シャドーボクシング、メキシコ人トレーナーとのミット打ち、サンドバッグ打ちを披露した健文トーレスは、父がメキシコ人で元WBC世界ライトフライ級王者のヘルマン・トーマス氏で、兄も従兄もプロボクサーというボクシング一家で育った。
そんなボクシングエリートだったトーレスが、再び脚光を浴びる舞台に立つ。2戦連続で世界ランキング1位の選手に勝利すれば、その先に夢だった世界挑戦への道が開けてくる。本来の階級であるバンタム級では日本人選手が4団体の王者を独占している。この試合に勝てば、スーパーフライ級とバンタム級まで世界挑戦の可能性がある。過去に犯した罪を見つめ直して、今の自分と真摯に向き合いながら、健文トーレスは目の前の大一番に臨む。