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[井上尚弥シリーズ1/3]2024.8.14

井上尚弥特集「モンスター」を数字で分析

プロデビュー6戦目で世界王座獲得
 9月3日に世界スーパーバンタム級4団体王座の防衛戦を控える井上尚弥(31=大橋)。この10月でデビューから14年になるが、日本の怪物から世界の「モンスター」へと飛躍を遂げたうえで、いまなお底知れない強さを見せつけている。そんな井上を数字でチェックしてみよう。

※数字は2024年8月5日時点

■6戦目で世界王座獲得

 2012年10月2日に19歳でプロデビューした井上は、1年半後の2014年4月6日、アドリアン・エルナンデス(メキシコ)を6回TKOで下し、わずか6戦目、20歳でWBC世界ライトフライ級王座を獲得した。これは、当時の日本最短記録だった。のちに田中恒成(畑中)が5戦目で戴冠を果たしている。
オマール・ナルバエス(アルゼンチン)に勝って2階級制覇

■世界4階級制覇

 ライトフライ級、スーパーフライ級、バンタム級、そしてスーパーバンタム級の4階級で世界王座を獲得。日本では井岡一翔(志成)、田中恒成(畑中)と並び最多記録だ。ライトフライ級王座を返上後、フライ級を飛び越えてスーパーフライ級王座を獲得したが、もしもフライ級王座を獲得していたら、5階級制覇ということになっていた。

 井上自身は「あと2年近くは、スーパーバンタム級に留まるかもしれない」と話しているが、いずれは、フェザー級転向が視野に入ってくるはず。5階級制覇が現実になる日も近い?

 ちなみに史上最多はオスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)とマニー・パッキャオ(フィリピン)の6階級制覇で、トーマス・ハーンズ、アメリカ)、シュガー・レイ・レナード(アメリカ)、フロイド・メイウェザー(アメリカ)、ホルヘ・アルセ(メキシコ)、ノニト・ドネア(フィリピン)の5階級制覇が続く(暫定王座含む)。

ジェイミー・マクドネル(英国)に勝って3階級制覇

■世界戦出場数と勝利数

 井上が出場した世界戦は、ライトフライ級=2、スーパーフライ級=8、バンタム級=9、スーパーバンタム級=3で合計22度(22勝20KO)となっている。これは、日本では井岡一翔の26度(22勝11KO3敗1分)に次ぐ数で、世界戦の勝利数では並んでいる。9月3日のTJドヘニー戦で勝てば、単独トップの23勝となる。なお、世界戦におけるKO勝利数20は、他を大きく引き離して日本では独走状態だ。

 世界では、1980年代から1990年代にかけて3階級制覇を成し遂げたフリオ・セサール・チャベス(メキシコ)の37度(31勝21KO4敗2分)が世界戦出場数の歴代最多記録として残っている。

 ちなみに、世界王座の連続最多防衛記録(25度)を持つ元世界ヘビー級王者のジョー・ルイス(アメリカ)は27度、モハメド・アリ(アメリカ)は25度、マイク・タイソン(アメリカ)は16度、世界戦に出場している。マニー・パッキャオ(フィリピン)は26度、フロイド・メイウェザー(アメリカ)も26度、現役のテレンス・クロフォード(アメリカ)が19度、サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)は25度となっている。

ポール・バトラー(英国)に勝ってバンタム級で世界4団体統一

■2階級で4団体王座を統一

 井上は、バンタム級とスーパーバンタム級の2階級でWBA、WBC、IBF、WBOの主要4団体の世界王座統一を果たしている。これはテレンス・クロフォード(アメリカ=スーパーライト級&ウェルター級)に次ぎ、2番目の達成者であり、後にオレクサンダー・ウシク(ウクライナ=クルーザー級&ヘビー級)が続いている。

マーロン・タパレス(比)に勝って2階級目の4団体統一

■世界戦8連続KO勝ち

 2015年~2019年、2020年~現在までの2度、世界戦で8連続KO(TKO)勝ちをマークしている。これは日本歴代最長記録で、具志堅用高(協栄)の6連続KO、長谷川穂積(千里馬神戸/真正)、内山高志(ワタナベ)、山中慎介(帝拳)の5連続KOが続く。ドヘニー戦には、世界戦9連続KO勝ちの記録更新がかかっている。

 なお、世界戦の連続KO防衛となると、井上はスーパーフライ級時代とバンタム級時代に5を記録している。ちなみに、世界戦の連続KO防衛の記録は、スーパーバンタム級のウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)とミドル級のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)が17で、歴代トップとして並んでいる。

ルイス・ネリ(メキシコ)戦で8連続KO勝利!
つづく