加納陸とアンソニーが対決! 勝負は一瞬
WBO(世界ボクシング機構)世界フライ級王座決定戦が20日、両国国技館で開催された「Prime Video Presents Live Boxing 9」で行われ、加納陸(26=大成)とアンソニー・オラスクアガ(25=米国)が対戦した。
サウスポーの加納がノーモーションの左で中に入るが、接近すると、アンソニーは左右の連打で突き返した。試合が決まったのは3回、ガードを上げた加納に対して、アンソニーが右フックで加納の右手を外に叩くと、隙ができたところに左アッパーを合わせて、顔面をヒット。加納は一気に崩れ落ちた。レフェリーはカウントを続けたが、立ち上がれず。
試合後、会見の席に着いた加納は「貰ってはいけないパンチを貰って負けた。それに尽きる。思っていた通り、(アンソニーは)危険なパンチを持っていて試合を進めていく中で改めて感じた。最後は覚えていなく、右が致命打になったのかな」と試合振り返った。
アジア地域王座を歴任し、着実に力をつけてきた加納だが、「試合に向けて満足のいく調整はできていた。(8年ぶりの)世界戦ならではの雰囲気で、素晴らしいリングでしっかり結果を出したかった。持っているものを出させてくれないアンソニーの強さが際立った試合。世界戦の相手に相応しい強い選手だった」と、ベルトを競った新チャンピオンを称えた。
記者からの最後の質問に「今後は特に考えていない、負けてすぐに答えは出ない」と目頭を熱くした。
試合後、中谷潤人(26=M.T)とアンソニー・オラスクアガ(米国)は、それぞれのベルトを前に置いて会見の席に着いた。WBOのベルトを手にしたアンソニーは、「拳四朗との試合の後、自信を持ってリングに上がらないといけないと思った。まだプロ8戦目なので、みんなの求めるパフォーマンスがこれから出せるようになると思う」と、今後の成長を約束した。試合に関しては、「もっと長いラウンドになると思っていたが、早く終わったことにびっくりしているが、KOを狙っていたので、結果に繋がった」と振り返った。
ダウンを奪った場面は、「ガードを払えばいけると思っていった」。ルディ・エルナンデストレーナーからは、「キャリアで最高の試合になるので、レフェリーに委ねないで、自分から勝ちをとりにいけとアドバイスを受けていた。加納は正面から攻めてくるのを予想して、最優のパンチとアッパーを打つように言われていたので、意識していた」と、初戴冠に安堵した。