7.20(土)、両国国技館が揺れる!
両国国技館で20日(土)に開催される「Prime Video Presents Live Boxing 9」の調印式と会見が18日、都内の東京ドームホテルで執り行われ、トリプル世界戦を含むビッグマッチ4試合の出場選手8名が一堂に会した。
メインイベントは、初防衛戦に臨むWBC世界バンタム級チャンピオン中谷潤人(26=M.T)と、同級1位の指名挑戦者ビンセント・アストロラビオ(27=比)によるサウスポー対決。日本ボクシング界の黄金の系譜を引き継いだ、世界3階級制覇王者から目が離せない!
「KOを狙うアクションを起こす」中谷潤人
マイクを握った中谷は、「好戦的でパワフルでパンチを振ってくる」と改めてアストロラビオの印象を語ると、「ヒリヒリとした展開を楽しみながら、KOを狙うアクションを起こしていきたい。この先のビッグマッチを期待されるような内容を見せる」と落ち着いた表情で語った。中谷が見据えるのはバンタム級王座統一戦だ。中谷のほかに3人の日本人世界チャンピオンが君臨しているが、「評価が高い選手の一人なので」と、WBA王者の井上拓真(28=大橋)の名前を挙げた。
「チャンピオン以上にトレーニングをしてきた」アストロラビオ
一方、2度目の世界挑戦のアストロラビオは、「この試合に向けて4ヶ月間トレーニングしてきた。日本での試合なので中谷が有利だと思うが、彼以上にトレーニングをしてきた。私は勝つために日本来た」と静かに闘志を燃やした。
2人並んでの写真撮影では、中谷が挑戦者にカメラの方向を教えるなど気遣いを見せていた。会見後には、WBCのマウリシオ・スレイマン会長から、中谷とアストロラビオそれぞれに記念楯が贈られた。
セミファイナルは、120lb(54.4kg)契約10回戦、格闘技ファン注目の那須川天心(25=帝拳)とジョナサン・ロドリゲス(25=米国)の世界ランカー対決。格闘技王国日本が誇る"神童"の真価が問われる大一番!
「バチッとハマった」那須川天心
注目のボクシング転向4戦目に臨む那須川は、紹介されるとガッツポーズでアピールした。「前回の試合で自分の(ボクシングの)形が決まったと思ったがそうでもなかった。近距離や中間距離での戦い方を練習してきて、バチッとハマった」と進化に手応えを感じているようで、「お客さんやアマプラで見た人が、『すごいのがきた。異世界のボクサーだ!』と思わせる」と那須川天心のスタイルでファンを魅了する。
「得意なのは右だけではない」
ジョナサン・ロドリゲス
拳を交えるジョナサンは、「初めて米国以外で試合をするが違いは感じない。世界戦のつもりでリングに上がる」と意気込むと、「右ストレートが得意だと思われているが、自分はオールラウンダー。当日、作戦を遂行するだけだ」と静かに語った。
世界上位ランカーを撃破すれば、さらに期待が高まる。しかし、那須川は「デビューした時から短期で見ていない。次の試合をスカッと勝ったからといってタイトルだとは思っていない。経験に勝るものはない」とキャリアを重ねていく考えを示すと、「トランキーロ(焦るなよ)」とスペイン語で新日本プロレスの内藤哲也選手の決めセリフ真似してファンに呼びかけた。
じっくりと経験を積む
囲み取材に応じた那須川は、「ボクシング界では珍しい存在だと思うが、自分にしかできない動きを見せる。ボクシングの概念にはない動き。完成しつつあるのでリング上で証明する」とニヤリとした。
セミセミファイナルは、WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ、世界4階級制覇王者の田中恒成(29=畑中)が初防衛戦で、ジョナタン・ロドリゲス(28=メキシコ)の挑戦を受ける。
「内容にこだわりながら倒す」田中恒成
スーパーフライ級王者として初防衛戦のリングに上がる田中は、「相手は世界チャンピオンや世界ランカーとタフな試合をしてきた頑丈な選手。この試合に向けてコンビネーションや手数を出すことを意識してきた。内容にこだわりながら倒せたら最高」と持ち前の攻撃的スタイルでKO防衛を狙う。
ここを勝って王座統一戦へ
スーパーフライ級は、WBC王者がジェシー・ロドリゲス(24=米)、WBA・IBF統一王者がフェルナンド・マルチネス(33=アルゼンチン)だ。「他団体のチャンピオンは(バムが)パウンド・フォー・パウンド5位。そして(マルチネスが)2団体王者と世界的な評価が高いのでやりがいがある」と一つひとつ言葉に力を込めて語った。
畑中清詞会長は、「バムやマルチネスとやっても面白いのではないかと思わせるよう、スカッと勝ってほしい」と期待した。
「最初から仕掛けていく」
ジョナタン・ロドリゲス
ベルトに挑むジョナサンは、「田中は世界4階級制覇しているエクセレントなチャンピオン。しかし、フィジカルでは負けていない。最初からプレスをかける。リング下ではリスペクトするが、リング上ではしない。ベルトをメキシコに持ち帰る」と気持ちを込めた。
「打ち勝って世界王者になる」加納陸
8年ぶりに世界戦の舞台に戻ってきた加納は、「全体的な底上げとチャンスにまとめるスタミナを強化してきた。(オラスクアガ選手は)若くて勢いがありパンチが強い。どう考えても打ち合いになると思うが自分が打ち勝つ。20日はリング上で自分の名前が呼ばれるよう勝つ。世界を獲り切る」とこれまでの思いを込めた。目力があり、覚悟を決めた表情が印象的だった。
「20日は夢を叶える日」オラスクアガ
2度目の世界挑戦に臨むオラスクアガは、「とても素晴らしいトレーニングキャンプができた。加納からハングリーさを感じるが、それを上回るスピリットで勝つ。20日は自分の夢を叶える日だ」と笑顔を見せながら試合への意気込みを語った。