ボクシングモバイルニュース
[試合後談話]2024.6.14

激アツ! 日本女子タイトル戦!

激戦!
 日本女子フライ級タイトルマッチ、王者の山家七恵(32=EBISU)対同級1位の福家由布季(27=三迫)が14日、後楽園ホールで開催された「VICTORIVAvol.14」で行われた。
山家七恵(EBISU)が初防衛
 開始早々、福家が距離を潰してボディにパンチを集めるが、サウスポーの山家は、右フックで迎え撃つと、左ストレートをねじ込んで、見栄えの良さをアピールした。2回、打ち終わりを狙う山家に対し、福家はボディにパンチを集めた。3回も福家がグイグイと攻め込むと、山家はチラッとタイマーを見る仕草を見せた。4回、山家はショートアッパーから左ストレートを好打。福家の手数が増えず。ギアを上げ直した福家は5回、ボディにパンチを集めるが、山家は右フックを合わせて有効打で譲らず。6回、福家は右ボディで一瞬動きを止めると、プッシュしながら積極的な攻撃。山家は必死にパンチを返した。ジャッジ2者の支持を得た山家が、王座防衛に成功。山家は、リング上で歓喜の涙を流した。
「上を目指す」
 試合後に取材に応じた山家は、「ボディを打たれて、今も痛いしキツい。でも、防衛できて嬉しい」と声を弾ませると、「手数を増やしたかったが、相手が前に来るのはわかっていたので、会長から『落ち着いてタイミングを合わせて返せば大丈夫』と指示を聞いて戦った。そこが評価されて良かった」と冷静に振り返った。

 歴代の日本女子フライ級王者として、初めて王座防衛に成功した山家は、「今は世界ランキングはIBF15位。まずは8回戦を経験して、会長と相談しながら上を目指す。狙えるところを狙っていく」とさらなる飛躍を誓った。
「最後に詰め切れなかった」
 一方、涙をのんだ福家は、「練習してきたこと、今できることは出し切った。山家選手は経験値があり、チャンピオンなので『ベルトは離さない』という気持ちの強さを感じた。最後に詰め切れなかったのは、今の自分の実力。そこが今後の課題」としっかりと答え、巻き返しを誓った。
柳井妃奈実(真正)がベルトを死守!
 日本女子バンタム級王者の柳井妃奈実(25=真正)は、同級1位の古川のどか(21=北島)を迎えて初防衛戦に臨んだ。

 試合開始のゴングが鳴ると、挑戦者の古川が、リングを大きく使いながらジャブを飛ばして、出入りを活かしたボクシングを展開。2回、チャンピオンの柳井は、プレスをかけて左フックをヒット。しかし、古川はワンツーを返すと、前後の動きを意識した。3回、プレスを強めた柳井は、左ボディで相手の足を止めにかかった。4回、柳井はステップインから左フックで顔を弾き、見栄えの良さをアピール。5回、お互いに決定打が出ない中、ラウンド終盤に古川がワンツーから左フックにつなげた。6回、両者とも必死にパンチを出したが、試合終了。ジャッジ2者が57-57としたため引き分け。日本女子バンタム級王者の柳井が初防衛に成功した。

「倒し切れなかった」柳井妃奈実

 引き分けでベルトを死守した柳井は、「相手はもっと下がると思ったが、前に出てきた。自分のボクシングができなくて倒し切れなかった」と、王座防衛にも反省の言葉を並べた。
「再戦したい」古川のどか
 一方、大健闘したがわずかにベルトへ届かなかった古川は、「ただただ悔しい。自分の武器が少なかった。決定的なパンチを出せていたら、展開は変わっていたかもしれない。気持ちが弱く、練習してきた事が出せなかった。福岡から見に行きてくれたみんなに申し訳ない」と涙を浮かべたが、「再戦したい。今度は圧倒的に勝って、応援してくれる皆が見ていて安心できる試合をしたい。帰ってすぐに練習する」と、柳井との完全決着を熱望した。