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[試合後談話]2024.5.11

京口紘人vsパラス! まさかの結末…

韓国で再戦!
 元世界2階級制覇王者の京口紘人(30=ワタナベ)とIBF(国際ボクシング連盟)フライ級10位のビンス・パラス(25=比)が11日、韓国PARADISE CITY GRAND BALL ROOMで開催された「Treasure Boxing 6」のメインイベント、フライ級10回戦で対戦した。

 2018年5月に行われたIBF(国際ボクシング連盟)ミニマム級タイトルマッチ以来の再戦(京口の判定勝ち)。京口が返り討ちを果たし、世界をアピールしたのか? それともパラスが雪辱したのかーー。
採点表
 左右を振ってくるパラスに対し、京口はガードと足を使いながらパンチを外すと、左ボディを痛打。手数を出すパラスを上手くいなし、ジャブから上下のコンビネーションで攻め立てた。ボディをもらったパラスだが、後半になっても踏ん張りながら左右フックで食い下がる。それでも京口は決定打を避けて、テクニックで上回った。ダメージブローを与えた京口が勝利したかに思われたが、ジャッジはパラスを支持。リング上で喜びを爆発させたパラスと対照的に会場は騒然とした。
「勝ったと思った」
 終始、ペースを握っていたが、思いがけない結果となった京口は、「打ち合いの中で、相手の良さを見せないことを徹底した。中間距離でジャブを出して、極力クリーンヒットはもらわず、自分が当てて空振りさせることがテーマだった。取られていたとしても、2ポイント。僅差もないと思った。勝ったと思った。こんなにわけのわからない判定は初めて。『これがボクシング』と言われたら、やる気をなくす。本当に腹が立つ」とハッキリと不満を口にした。

 「どっちが勝ったかわからないような接戦で負けたなら納得がいくが、これはないですね」。
終始、コントロールしていたが…
 冷静に対応し、パラスの強打を空転させた。「ボディを嫌がったのはわかったが、丁寧に攻めることを心掛けた。相手は手数を出していたが、クリーンヒットはもらっていない。コントロールしていた。(パラスは)以前、戦った時と変わっていなくて、試合中も冷静に戦えた。負けた感じは、まったくない」と採点には納得していなかった。
「勝つことだけに集中した」
 一方、リベンジしたパラスは、「勝ててハッピーだ。京口のパンチは強かったが対応できた。今後もずっと練習を続けていく。今日は倒すことではなく、勝つことだけに集中した」と満面の笑みを浮かべて試合を振り返った。
伊藤雅雪代表
 Treasure Boxingプロモーションの伊藤雅雪代表は、「両方の気持ちがわかる。的確性では京口選手だが、難しい採点で、どっちが勝ってもおかしくない試合だった。ビンスがよく頑張った」と語ると、「この後、考えていたプランがあったので、いろいろと複雑ですね。TB(TreasureBoxing)は毎回、何かが起きますね」と苦笑いを浮かべた。