大橋ジムの3人のチャンピオンが東京ドームを振り返った
大橋ジムに新たな世界チャンピオンが誕生した、昨夜の歓喜から一夜明けた7日、横浜の大橋ジムで、会見が行われ、プロ9戦目でWBO(世界ボクシング機構)バンタム級王座に就いた武居由樹(27=大橋)と、世界スーパーバンタム級4団体統一王者で、昨夜、ルイス・ネリ(29=メキシコ)にKO勝利した井上尚弥(31=大橋)、そして、石田匠(32=井岡)との日本人対決を制したWBA(世界ボクシング協会)バンタム級王者の井上拓真(28=大橋)が、東京ドームのリングを振り返った。
映像を見直したという尚弥は、「1ラウンドのダウンを含め、6ラウンドまで満足いく内容。歴史に残る一日になった」と笑顔で振り返った。初回のダウンを喫した場面に関して、「死角に入って見えなかった」。それでも、しっかり8カウントまで、膝をついて数えて、すぐには立たず、足のダメージの回復に努めた。「数秒が大事」と、初ダウンにも冷静に対処した。会場のモニターで、パンチの種類とタイミングも確認していたことを明かした。
これまでの対戦相手と比較した場合、という問いには「一番手強いとは言えない。もっとパワーがあると思った。隙が多い印象があったが、そのとおりだった」と印象を語った。
初回にダウンを喫した拓真は「冷静に確実に、ポイントを挽回できた」としつつも、昨夜の戦い方について、「ディフェンスのあまさ、攻撃の詰めのあまさ」を反省点に挙げ、「統一戦に向けて、課題を克服して強くなれるよう頑張ります」と抱負を語った。
尚弥も初回にダウンしたことに触れ「お兄ちゃんのダウンは見たくない」と苦笑いすると、父でトレーナーの真吾氏は「俺なんか大変よ、びっくりよ!」と、記者の爆笑を誘った。
武居は「ひとまず、勝ててホッとしてます。内容的には、まだまだ。東京ドームで、お客さんからパワーをもらった」と、ファンのサポートに感謝し、「一発当てて倒して勝ちたかったが、当てさせてくれなかった。まだまだ成長出来る」と語った。
会見に同席した八重樫東トレーナーは、「判定だとポイント持っていかれると思っていた。判定でもポイントが取れるようになった。ワンツーが打てたのが彼の成長。そのおかげで勝てた」と労った。
会見に同席した大橋秀行会長は、試合の4週間前に武居と尚弥が10ラウンドのスパーリングをしていたことを明かし、「昨日の最後のラウンドは、スパーリングと同じだった」と結果的には、いい経験になっていたとした。